企業取引と税務否認の実務 ~税務否認を巡る重要裁判例の分析~

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著者 太田 洋 / 伊藤 剛志 共編著
書籍カテゴリー 法人税関係
発売日 2015年2月20日 発売
ISBN 978-4-7547-2185-5
ページ数 / 判型 592ページ / A5判
定価 4200 円 (本体価格:3889 円)

本書の内容

行為計算否認規定の適用により税務否認を受けたヤフー(132条の2:組織再編における行為計算否認規定)、IBM(132条:同族会社等の行為計算否認規定)の事案が相次いで訴訟に発展した。これまで行為計算否認規定を用いた否認事例は余り見られなかったが、課税当局は、組織再編や資本等取引について、最新の裁判例を踏まえて税務調査で精査する姿勢を強めており、今後、同様の否認事例が相次ぐ可能性がある。
本書は、ヤフー事件、IBM事件、オウブンシャホールディング事件など、法人税法132条、同132条の2、同22条2項などの適用が争われた重要な税務否認事例を、税務争訟対応・税務調査対応の経験が豊富な西村あさひ法律事務所税務プラクティス・チームの弁護士が徹底的に分析・解説したもので、企業の担当者・税理士に対してタックス・プランニングや税務調査に関する実務対応に際しての法的観点からの「羅針盤」を提供するものである。

特色

★ヤフー、IBM、オウブンシャホールディングス事件等、法人税法132条及び同22条2項の適用を巡って争われた重要な税務否認事例を掲載して詳解。

★税務争訟並びに税務調査対応に精通したローヤー達による徹底した分析・解説。

★今後、同様の税務否認事例が相次ぐ可能性がある企業の組織再編や資本等取引について、タックス・プランニング及び税務調査対応の実務において「羅針盤」となる一冊。

主要目次

第Ⅰ部 総論 企業取引と租税回避行為の否認


第1章 租税回避行為の否認とその手法
一 はじめに
二 租税回避行為の否認のために用いられる手法
1 租税法上の根拠に基づく否認
2 解釈論上のテクニックに基づく否認


第2章 法人税法132条(同族会社の行為計算否認規定)について
一 同族会社の行為計算否認規定(法法132条)の趣旨及び概要
二 法人税法132条の適用要件に関する諸問題
1 否認の対象となる行為又は計算の主体
2 否認の対象となる「行為」の範囲
3 否認の対象となる「計算」の範囲
4 「法人税の負担を・・・減少させる結果となる」の意義
5 「不当に」の意義
6 主観的な租税回避目的の要否
三 法人税法132条の効果に関する諸問題


第3章 法人税法132条の2(組織再編成に係る行為計算否認規定)について
一 法人税法132条の2の趣旨と概要
二 法人税法132条の2の適用要件とその射程
1 適用対象となる行為・計算
2 適用対象となる法人
3 「不当に」という文言の意義
4 税負担の減少をもたらす事由
5 主観的な租税回避目的の要否
三 一般否認規定と個別否認規定との関係
四 法人税法132条の2の適用の効果


第4章 法人税法132条の3(連結法人に係る行為計算否認規定)について
一 連結法人に係る行為計算否認規定(法人税法132条の3)の趣旨及び概要
二 法人税法132条の3に係る解釈上の留意点及び問題点
1 否認の対象となる行為又は計算の主体
2 否認の対象となる「行為」の範囲
3 否認の対象となる「計算」の範囲
4 法人税法132条の3所定の「不当に」の意義と個別否認規定との関係
5 主観的な租税回避目的の要否
6 その他の問題


第Ⅱ部 各論⑴ 行為計算否認規定の適用による否認事例


第1章 ヤフー・IDCF事件に関する司法判断とM&A実務への影響
一 はじめに
二 ヤフー・IDCF事件東京地裁判決における事案の概要と主要な争点
1 本件事案の概要
2 本件の主要な争点
三 ヤフー・IDCF事件東京地裁判決の判示
1 争点A-1について
2 争点A-2について
3 争点B-1について
4 争点B-2について
5 争点B-3について
6 争点C-1について
7 争点C-2について
8 争点C-3について
四 ヤフー・IDCF事件東京地裁判決の検討
1 争点A-1について
2 争点A-2について
3 争点B-1及びB-2について
4 争点C-1及びC-2について
5 争点C-3について
五 ヤフー事件控訴審判決について
1 概 要
2 法人税法132条の2についての解釈
3 法人税法57条3項及び法人税法施行令112条7項5号についての解釈
4 法人税法施行令112条7項5号等への具体的な事実関係の当てはめについて
六 ヤフー・IDCF事件東京地裁判決及びヤフー事件控訴審判決のM&A・企業組織再編実務等への影響


第2章 適格現物出資と譲渡損失の実現スキーム(パチンコチェーン事件)
一 はじめに
二 スキームの概要
三 検  討
1 繰越欠損金額の利用制限制度、特定資産に係る譲渡損失額の損金不算入制度との関係
2 行為計算否認規定の適用
3 終わりに


第3章 連結納税グループに属する親子会社間の自己株式取得と否認(IBM事件)〜法人税法132条の適用⑴〜
一 はじめに
二 事案の概要
三 主要な争点
四 本判決の内容
1 不当性の評価根拠事実①(正当な理由ないし事業目的の有無)の検討
2 不当性の評価根拠事実②(本件融資が独立当事者間の通常の取引とは異なるものといえるか)の検討
3 不当性の評価根拠事実③(租税回避の意図の有無)の検討
五 検  討
1 事実認定のポイント
2 法解釈上のポイント
六 終わりに


第4章 グループ会社からの借入れと否認(ユニバーサルミュージック事件)〜法人税法132条の適用⑵〜
一 はじめに
二 過大支払利子税制の概要等
1 過大支払利子税制の制度趣旨
2 既存の国際的な租税回避行為防止制度と過大支払利子税制
3 過大支払利子税制の概要
4 過大支払利子税制に関する制度上の課題
三 ユニバーサルミュージック事件
1 事案の概要
2 過大支払利子税制創設前の状況下における既存の国際的な租税回避行為防止制度の適用
3 一般的行為計算否認規定の適用について
4 本件事案が過大支払利子税制導入後の事案であった場合
四 終わりに


第5章 擬似DESに基づく新株の高額引受けとその額面超過分についての寄附金認定〜法人税法132条の適用⑶〜
一 問題の所在
二 日本スリーエス事件一審判決の事案と判旨
1 事 案
2 日本スリーエス事件一審判決の判旨
3 日本スリーエス事件控訴審判決の判旨
三 日本スリーエス事件一審判決についての分析と検討
1 行為計算否認の対象と「通常の経済人の行為として不合理、不自然な行為又は計算」か否かの判断基底
2 行為又は計算の経済的合理性
3 異常ないし変則的で経済的合理性がないか否かの判断基準
4 本件高額払込みにおける寄附金の範囲
5 本件株式譲渡の譲渡価額の相当性
四 相互タクシー事件一審判決の事案と判旨
1 事 案
2 相互タクシー事件一審判決の判旨
3 相互タクシー事件控訴審判決の判旨
五 相互タクシー事件一審判決についての分析と検討
1 高額の増資払込みと寄附金
2 本件高額払込みに関する寄附金該当性
3 法人税法37条による否認と同法132条による否認との関係


第6章 連結納税制度と行為計算否認〜ヤフー・IDCF事件東京地裁判決を踏まえた初期的検討〜
一 はじめに
二 連結法人否認規定の概要及び検討の枠組み
三 否認の対象となる事業年度
四 否認の対象となる行為又は計算の主体
1 「その」の意義
2 「連結法人の行為又は計算」の意義
五 否認の対象となる事由
六 不当性要件
1 連結納税グループ内への繰越欠損金の持込み
2 連結納税グループへの加入に伴う自己創設営業権の時価評価課税
七 終わりに


第Ⅲ部 各論⑵ 行為計算否認規定以外の規定の適用・解釈によ
る否認事例


第1章 Recharacterizationによる否認〜日本ガイダント事件〜
一 はじめに
二 日本ガイダント事件の概要
1 訴訟に至る経緯
2 匿名組合契約の税務上の取扱い
三 本件の争点と裁判所の判断
1 争 点
2 本地裁判決の概要
3 本高裁判決の概要
四 本判決の分析と検討
1 Recharacterizationによる租税回避行為の否認の理論的根拠
2 匿名組合契約と任意組合契約の間のrecharacterization
3 本判決の分析と示唆
4 匿名組合契約と租税条約


第2章 有利発行と既存株主に対する課税(オウブンシャホールディング事件)〜法人税法22条2項の適用⑴〜
一 はじめに
二 事案の概要及び最高裁判決の判旨
1 事案の概要
2 最高裁判決の判旨
三 検  討
1 問題の所在
2 法人税法22条2項において無償譲渡等に係る収益が益金に算入するものとされる理由
3 法人税法22条2項にいう「取引」の意義
4 資産価値の移転についての合意等の要否
5 法人税法22条2項にいう「取引」の当事者
6 なぜ本件で裁判所は法人税法132条を適用しなかったのか
四 終わりに


第3章 有利発行と引受人に対する課税(大手商社タイ子会社有利発行事件)〜法人税法22条2項の適用⑵〜
一 問題の所在
1 有利発行の意義及びその課税上の取扱い(概観)
2 誰から誰に対する利益移転がなされたものとして取り扱われるのか
二 有利発行課税の構造と本判決
1 本判決の事案
2 利益移転の当事者と法人税法22条2項にいう「取引」の当事者
3 利益移転に関する当事者間の「合意」ないし「意思の合致」の要否
4 有利発行該当性に関する問題
5 引受人保有に係る株式についての希薄化損失の取扱い
三 終わりに


第4章 強制消却と株主に対する課税(日産事件)〜法人税法22条2項の適用⑶〜
一 はじめに
二 事案の概要及び判決の判旨
1 事案の概要
2 第一審におけるX社の主張と本件一審判決の要旨
3 本判決におけるX社の主張と本判決の要旨
三 検  討
1 問題の所在
2 本判決における法人税法22条2項及び同法61条の2第1項の解釈に関する問題点
3 本判決における法人税法22条4項の解釈に関する問題点
4 本判決における法人税法37条7項の解釈に関する問題点
5 本判決における法人税法24条1項の解釈に関する問題点
四 終わりに


第5章 仮装行為(事実認定)による否認〜ヴァージン・エンターテイメント事件〜
一 はじめに
二 本判決に係る事案の概要及び争点
1 事案の概要及び当事者の主張
2 本件における争点
三 本判決の要旨
1 本件第一審判決の概要
2 本件控訴審判決の概要
四 本判決の分析と検討
1 「仮装行為」の租税法における理論的位置付け〜租税回避行為の否認の関係〜
2 「仮装行為」であるか否かを判断するための当事者の「真の意思」の認定要素
3 本判決の事実認定に係る具体的検討
4 課税当局による他の法律構成の検討
五 終わりに(株式譲渡等M&Aプランニング上の留意点)


第6章 債権の現物出資によるデット・エクイティ・スワップに関する課税上の問題〜「取引」単位の認定を通じた「否認」〜
一 財務リストラクチャリングとデット・エクイティ・スワップ(DES)
二 DESの2つの類型〜現物出資型DESと擬似(金銭払込型)DES〜
三 現物出資型DESに関する課税上の問題点〜総 論〜
四 現物出資型DESの「債権者」における租税法上の諸問題
1 債権譲渡損の認識に係る問題点
2 DESにより取得した債務者企業株式の評価損の損金算入の可否
3 小 括
五 現物出資型DESの「債務者」側における課税上の諸問題〜「債務消滅益」の課税上の認識の要否に係る裁判例の検討〜
1 現物出資型DES事件の概要
2 本判決の問題点
六 現行法下における現物出資型DESに係る債務消滅益認識の要否
七 終わりに


第7章 ToSTNeT-3取引を利用した自己株式取得とみなし配当 〜ゼンショー=カッパ・クリエイト事件〜
一 はじめに
二 株式売却の所得課税
三 事案の概要
1 自己株式取得に至る経緯
2 自己株式立会外買付取引(ToSTNeT-3)
3 自己株式取得の実行
4 ゼンショーの申告と更正処分
四 問題の所在
五 国税不服審判所の判断
1 自己株式立会外買付取引(ToSTNeT-3)を利用した自己株式の取得とみなし配当
2 ゼンショーの主張に対する判断
3 「正当な理由」の有無
六 検  討
1 資本業務提携の解消に伴う株式処分と自己株式取得
2 文理解釈の原則
3 借用概念論からの検討
4 源泉徴収との関係
七 終わりに

第8章 資本剰余金と利益剰余金の双方を同時に減少して剰余金の配当を行った場合(混合配当)の課税関係に関する裁決事例
一 はじめに
二 事案の概要
三 本裁決の概要
1 争点1に関する当事者の主張と本裁決の内容
2 争点2に関する当事者の主張と本裁決の内容
四 検  討
1 混合配当に関する課税上の取扱い
2 混合配当の全体に法人税法24条1項3号を適用する場合の課税効果
五 終わりに


索  引

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