M&A・企業組織再編のスキームと税務(第3版)

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著者 太田 洋 編著
書籍カテゴリー 法人税関係
発売日 2016年1月29日 発売
ISBN 978-4-7547-2301-9
ページ数 / 判型 848ページ / A5判
定価 4500 円 (本体価格:4167 円)

本書の内容

近年のM&Aや企業組織再編スキームの多様化と共に、税務上の取扱いも複雑さを増し、課税の問題を巡って納税者が不服申立てを行ったり、税務訴訟を提起する事例が増加している。本書第3版では、M&Aの手法の一つとしても用いられている、第三者割当増資と課税に関する章を新たに追加している。また、ヤフー・IDCF事件東京地裁判決及び同高裁判決並びにIBM事件東京地裁判決及び同高裁判決を受けて、一般的行為計算否認規定である法人税法132条、132条の2及び132条の3について内容を一新して詳細に論じている。さらに、既存の章についても最新の租税法令及び取引スキームを踏まえて詳細な検討を加えている。M&A最先端実務の税務と法務の全てがこれ一冊で分かる実務家必携の書。

特色

★ 投資銀行、投資ファンド、事業会社のM&Aないし法務担当者、上場企業役員、弁護士、公認会計士等、M&Aに携わる全ての実務家に贈るM&A・企業組織再編を巡る戦略的税務プランニングにおける最先端の実務解説書。

★ 税務訴訟の際に問題となるポイントや、今後増えるであろうM&A・グループ組織再編のための各種スキームにつき、取引スキームの類型毎に、税務上の取扱い及び法令解釈上問題となる点を深く掘り下げて分析。

★ 税務・法務戦略的な観点から、M&Aにおいてどのようなスキームを選択し、構築すべきか等、M&Aに携わる実務家の羅針盤となる一冊。

主要目次

第1章 コーポレート・ファイナンス理論の基礎

1 コーポレート・ファイナンス理論を学ぶ意味
2 貨幣の時間的価値(Time Value of Money)
3 現在価値(present value)の算定
4 現在価値算定のためのツール
5 投資評価とIRR(内部収益率)
6 基礎的財務用語の解説
7 会計制度がM&A に及ぼす影響(総論)
8 EPSとEBITDA
9 のれんと減価償却
10 株式価値の評価と類似企業評価法
 (1) 何故株式価値の評価を取り上げるのか
 (2) 類似企業評価法(Comps)~総論
 (3) PER 倍率法
 (4) EBITDA 倍率法
11 株式価値の評価とCAPM
 (1) 何故CAPM を取り上げるのか
 (2) 株式収益率のボラティリティ(標準偏差)
 (3) 分散化による個別企業の個別リスクの消去
 (4) β(システマティック・リスクに対する感応度)と株式の資本コスト
 (5) 企業価値評価モデル(その1)~割引フリー・キャッシュフロー・モデル
 (6) 株式価値評価モデル(その2)~配当還元法
12 MM理論
(1) モディリアーニ=ミラーの第1命題:資本政策を変更しても株主価値と債権者価値の和(=企業価値)は変わらない
 (2) 不完全な資本市場によるモディリアーニ=ミラーの第1命題の修正
 (3) モディリアーニ=ミラーの第1命題の派生命題:企業価値は配当政策とは無関係である
 (4) モディリアーニ=ミラーの第2命題
13 レバレッジ(Leverage)の意味
14 コール・オプションとプット・オプション
15 二項モデル
16 ブラック=ショールズ・モデル
17 新株予約権についての課税の基礎

第2章 組織再編を用いたM&A・企業グループ再編と課税

(総論)
1 はじめに
2 「組織再編」の外延
3 組織再編についての課税上の取扱いを考える際の視点
4 組織再編についての課税の基本的枠組み
5 適格組織再編成の要件と比較法的特徴
 (1) 組織再編に関する税制の基本構造
 (2) 適格組織再編成の要件
6 クロスボーダー組織再編に関する課税上の取扱い
7 今後の組織再編に関する税制の課題と展望

第3章 「資本金等の額」及び利益積立金額とみなし配当課税

1 はじめに
2 「資本金等の額」と利益積立金額
 (1) 「資本金等の額」と利益積立金額との区別の意義
 (2) 「資本金等の額」の意義・機能
 (3) 利益積立金額の意義・機能
 (4) 組織再編における「資本金等の額」と利益積立金額
3 みなし配当課税と株式譲渡損益課税
 (1) みなし配当(constructive dividend)とは
 (2) 自社株TOB 及び自己株式立会外買付取引とみなし配当課税
 (3) 組織再編と株主への分配(組織再編とみなし配当)
 (4) 合併及び分割型分割におけるみなし配当課税
 (5) 合併及び分割型分割における株式譲渡損益課税
4 マイナスの「資本積立金額」、「資本金等の額」及び利益積立金額
 (1) マイナスの「資本積立金額」
 (2) マイナスの「資本金等の額」
 (3) マイナスの利益積立金額

第4章 合併・会社分割・現物出資に係る組織再編税制とM&A

1 はじめに
2 支配関係にない対象会社の完全買収
 (1) 株式又は金銭を対価とする吸収合併の方法による全部買収
 (2) 金銭を対価とする事業譲渡の方法による全部買収
 (3) 金銭を対価とする株式譲渡の方法による全部買収
3 支配関係にない対象会社の部分買収
 (1) 株式又は金銭を対価とする会社分割の方法による部分買収
 (2) 金銭を対価とする事業譲渡の方法による部分買収
 (3) 会社分割又は現物出資+株式譲渡の方法による部分買収
4 共同出資(合弁)会社設立による(個別)事業統合(相互型の「割合的」買収)
5 組織再編行為の無効が課税関係に与える影響
 (1) はじめに
 (2) 事案の概要と判示の要旨
 (3) 分析と検討

第5章 株式移転・株式交換と課税

1 はじめに
2 現行の株式移転・株式交換税制の概要
 (1) かつての株式移転・株式交換税制の概要
 (2) 現行の株式移転・株式交換税制の概要
 (3) 法人レベルでの課税に関する問題
 (4) 株主レベルでの課税に関する問題
 (5) 第2次再編が見込まれている場合の取扱い
3 株式移転に際しての子会社の兄弟会社化に関する課税問題
4 株式移転・株式交換を用いたM&A の類型ごとの課税問題について
 (1) 株式交換を用いたグループ内組織再編(完全子会社化)と課税
 (2) 株式交換によるグループ外企業の買収と課税(事業関連性要件の問題)
 (3) 共同株式移転を用いた経営統合と課税(特定役員要件及び事業規模要件)

第6章 三角合併等と課税

1 三角合併等の解禁と三角合併等対応税制の概要
 (1) はじめに
 (2) 三角合併等の利用の進展
 (3) 三角合併等対応税制の概要
2 親会社株式の取得及び交付を巡る買収ビークルにおける税務上の取扱い
 (1) 親会社株式の交付に際しての買収ビークルにおける課税
 (2) 親会社株式の取得に際しての買収ビークルにおける課税
3 買収ビークルが保有する対象会社株式の取扱いと税制適格要件について
4 三角株式交換に関する諸問題~逆三角合併の問題
 (1) 「三角株式交換+逆さ合併」方式を用いた場合における税制適格要件の充足の問題
 (2) 「三角株式交換+逆さ合併」方式による事実上の逆三角合併を用いた場合と正三角合併を用いた場合との間の課税上の不均衡
5 三角分割の税制適格要件について
6 適格三角合併等に該当するための要件を充足しているか否かが問題となる場合
7 孫会社を買収ビークルとする三角合併を用いた買収
8 対象会社のストック・オプションを買収親会社のストック・オプションに振り替える場合の課税問題
9 買収親会社における買収ビークル株式の取得価額を巡る問題
10 コーポレート・インバージョン対策税制に関する実務上の問題点
11 日本企業による外国企業の三角合併等を用いた買収に関連する問題
12 その他の問題

第7章 第三者割当増資を用いたM&Aと課税

1 第三者割当増資を用いたM&Aと課税
2 有利発行の意義及びその課税上の取扱い(概観)
3 誰から誰に対する利益移転がなされたものとして取り扱われるのか
4 有利発行課税の構造とタイ子会社有利発行事件東京高裁判決
 (1) タイ子会社有利発行事件東京高裁判決の事案
 (2) 利益移転の当事者と法人税法22条2項にいう「取引」の当事者
 (3) 利益移転に関する当事者間の「合意」ないし「意思の合致」の要否
5 有利発行該当性に関する問題
 (1) 「10%以上のディスカウント」の有無で判断することの妥当性が問題となる場合
 (2) 「株式の発行価額決定日の時価」の算定方法

第8章 MBOと課税

1 はじめに
2 わが国におけるMBOのトレンド
 (1) MBO とは
 (2) わが国におけるMBOのトレンド
3 全部取得条項付種類株式を利用したMBO~レックス・ホールディングスのMBOの事例
 (1) スキームの概要
 (2) レックスのMBOによる株式非公開化の具体的手続
 (3) レックスのスクィーズ・アウトに関する論点
4 平成18年度税制改正による株式移転・株式交換税制の抜本改正と全部取得条項付種類株式利用スキーム
 (1) 平成18年度税制改正による株式移転・株式交換税制の抜本改正
 (2) 端数株式交換スキームと全部取得条項付種類株式利用スキームの登場
 (3) 全部取得条項付種類株式利用スキームを用いた場合の課税関係
5 MBO に関する法制の改正
 (1) 改正産活法による完全子会社化手続の簡素化
 (2) 特別支配株主の株式等売渡請求制度
 (3) 全部取得条項付種類株式利用スキームを利用したスクィーズ・アウト
 (4) 株式併合を利用したスクィーズ・アウト
 (5) 小括

第9章 自社株対価TOB による買収と課税

1 改正産活法と自社株対価TOB
2 自社株対価TOB に関する規制緩和の意義
3 自社株対価TOB に関する規制緩和の内容
 (1) 現物出資規制の適用除外
 (2) 有利発行規制の適用排除及び簡易自社株対価TOB
4 親会社株対価TOB(三角株式対価TOB)に関する規制緩和
5 金融商品取引法上の問題とその他の実務上の問題
 (1) スケジュールに関連する諸問題
 (2) 対価の均一性に関する問題
 (3) 海外企業に対する自社株対価TOB を行う場合の諸問題
6 自社株対価TOB の課税上の取扱い
 (1) わが国における現状の課税上の取扱い(総論)
 (2) 三角株式対価TOB についてのわが国における課税上の取扱い
 (3) わが国における現状の課税上の取扱いの帰結
 (4) 米国等における課税上の取扱い

第10章 スピン・オフ、スプリット・オフ及びスプリット・アップと課税

1 総 論
2 スピン・オフについて
 (1) スピン・オフの活用が期待される場面
 (2) 改正前商法下でのスピン・オフと現行会社法下でのスピン・オフ
 (3) わが国におけるスピン・オフの課税上の取扱い
 (4) わが国におけるスピン・オフの金融商品取引法上の取扱い
3 スプリット・オフについて
 (1) スプリット・オフの活用が期待される場面
 (2) 改正前商法下でのスプリット・オフと現行会社法下でのスプリット・オフ
 (3) わが国におけるスプリット・オフの課税上の取扱い
 (4) わが国におけるスプリット・オフの金融商品取引法上の取扱い
4 スプリット・アップについて
 (1) スプリット・アップの活用が期待される場面
 (2) 改正前商法下でのスプリット・アップと現行会社法下でのスプリット・アップ
 (3) わが国におけるスプリット・アップの課税上の取扱い
 (4) わが国におけるスプリット・アップの金融商品取引法上の取扱い
5 わが国でスピン・オフ等が活用されるための課題
 (1) わが国でスピン・オフ及びスプリット・オフが利用されない理由
 (2) スピン・オフないしスプリット・オフと課税繰延べ ~検討と課題~

第11章 M&Aと連結納税制度

1 はじめに
2 連結納税グループの内外に跨るM&Aに係る税務上の留意点
 (1) 留意すべき連結納税制度特有の規定の概要
 (2) 具体的なケースにおけるタックス・プランニング上の留意点
3 連結納税グループ内部における企業再編に係る税務上の留意点
 (1) 留意すべき連結納税制度特有の規定の概要
4 連結法人に係る行為計算否認規定(法法132条の3)に関する検討
 (1) 連結法人に係る行為計算否認規定(法法132条の3)の趣旨及び要件
 (2) IBM 事件と法人税法132条の3
5 連結納税制度の課題と展望

第12章 海外への本社移転(コーポレート・インバージョン)と課税

1 はじめに
2 インバージョンの実態とその背景
 (1) インバージョンの目的
 (2)海外におけるインバージョンの実例
 (3) 国際的な経営統合の結果としての本拠地の移転
 (4) わが国におけるインバージョンに関連する制度的環境
 (5) わが国におけるインバージョンの実例
 (6) わが国で今後行われることが予想されるインバージョンのパターン
3 わが国のインバージョン対応税制
 (1) インバージョン対応税制創設の背景
 (2) わが国のインバージョン対応税制の概要
4 インバージョンに関するわが国の税制対応の課題
 (1) インバージョン対策合算税制と租税条約との抵触
 (2) 上場会社によるインバージョンへの対応
 (3) CFC 税制及び外国子会社配当益金不算入制度との関係
 (4) インバージョン後のアーニングス・ストリッピングへの対応
 (5) 今後の課題についての総括
5 インバージョンの手法と実務上の留意点
 (1) インバージョン親会社の設立準拠法を選択する際の考慮要素
 (2) 株主の「移管」方法
 (3) 本社機能の移管について
 (4) インバージョンの実施に伴う実務上の問題点

第13章 二元上場会社(デュアル・リステッド・カンパニー)

1 二元上場会社とは
2 なぜ二元上場会社なのか~二元上場会社の利点~
 (1) 「対等合併(統合)」の実現
 (2) 株式のフローバック問題の回避
 (3) 税務上の利点
 (4) 会計上の利点
 (5) チェンジ・オブ・コントロールの回避
 (6) 経営統合のための手続上の負担の軽減
 (7) 資本市場へのアクセスの維持
3 二元上場会社の仕組み
 (1) 二元上場会社の基本的な仕組み
 (2) 株主の経済的条件の均等化
 (3) 株主総会
 (4) 取締役会及び役員構成
 (5) 相互の債務保証
4 二元上場会社の事例分析~カーニバルの事例~
 (1) ストラクチャー
 (2) 経済的利益の均等化
 (3) 株主の議決権
 (4) 取締役及び経営陣のメンバー
 (5) 相互保証
 (6) 買収規制
 (7) 相互保有株式の取扱い
(8) 強制交換(一元化メカニズム)
5 二元上場会社の問題点
 (1) 運営の複雑さ
 (2) 株価の乖離
 (3) 資本市場における非効率
 (4) 両国の規制に服することによる負担
 (5) 敵対的買収の可能性が減少することによる株価への悪影響
 (6) 取締役の注意義務
 (7) 税務上の問題点
(8) 二元上場会社の一元化
6 二元上場会社に関する日本法上の論点
 (1) 均等化契約の承認手続
 (2) 取締役の資格を二元上場会社を構成する他方当事会社の取締役である者に限る旨の定款規定の有効性
 (3) 取締役会の決議事項の範囲の差異に伴う取締役会の適切な構成の問題
 (4) 剰余金の配当を二元上場会社を構成する他方当事会社による配当と一定比率で行う旨の定款規定の有効性

第14章 M&A・企業グループ再編と包括否認規定~法人税法132条の2の射程を中心に~

1 はじめに
2 同族会社の行為計算否認規定(法法132条)の趣旨及び概要
3 法人税法132条の適用要件とその射程
 (1) 否認の対象となる行為又は計算の主体
 (2) 否認の対象となる「行為」の範囲
 (3) 否認の対象となる「計算」の範囲
 (4) 「法人税の負担を減少させる結果となる」の意義
 (5) 「不当に」の意義
 (6) 主観的な租税回避目的の要否
4 法人税法132条の効果に関する問題
5 法人税法132条の2の趣旨と概要
6 法人税法132条の2の適用要件とその射程
 (1) 適用対象となる行為・計算
 (2) 適用対象となる法人
 (3) 「不当に」という文言の意義
 (4) 税負担の減少をもたらす事由
 (5) 主観的な租税回避目的の要否
7 一般否認規定と個別否認規定との関係
8 法人税法132条の2の適用の効果
9 連結法人に係る行為計算否認規定(法法132条の3)の趣旨及び概要
10 法人税法132条の3に係る解釈上の留意点及び問題点
 (1) 否認の対象となる行為又は計算の主体
 (2) 否認の対象となる「行為」の範囲
 (3) 否認の対象となる「計算」の範囲
 (4) 法人税法132条の3所定の「不当に」の意義と個別否認規定との関係
 (5) 主観的な租税回避目的の要否
 (6) その他の問題
11 ステップ・トランザクション・ドクトリン(段階取引の法理)

索 引

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