不動産・非上場株式の税務上の時価の考え方と実務への応用(三訂版)

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著者 渡邉 正則 著
書籍カテゴリー 資産税関係
発売日 2016年10月13日 発売
ISBN 978-4-7547-2365-1
ページ数 / 判型 376ページ / A5判
定価 2800 円 (本体価格:2593 円)

本書の内容

不動産や非上場株式の時価については、時価に比較し低額で評価したり、低額で売買を行った場合等、課税上の問題になる場面が多々あります。本書では、これらの不動産及び非上場株式の相続、贈与、売買等の取引時の時価の判断について最新の裁決・判決を含めて詳解。その上で課税関係のポイントを整理し、実務に資するよう関連する法令等多数収録して掲載。また、最近の傾向である株式価値の移転に伴う課税関係についても解説。

特色

★不動産の相続税法上の評価と時価・非上場株式の評価と時価について相続税法・所得税法・法人税法及び通達等、各税法上の考え方について裁決・判決をベースに詳解。

★特に論点となる「低額譲渡についての判断基準」を解説。

★裁決・判決の紹介と論点を整理し、課税関係が生じる場合、生じない場合を記述。

★裁決・判決をベースに不動産・非上場株式の評価実務への応用とその課税関係のポイントを関連法令等を収録して余すとこなく掲載。

主要目次

同族関係者間での売買時等の不動産の時価

1 不動産の時価の例
(1)土地
(2)建物

2 個人間売買時の課税と個人法人間売買時の課税関係(主に低額譲渡の場合)
(1)個人間の場合
(2)個人法人間の場合(譲渡者:個人、譲受者:法人)
(3)個人法人間の場合(譲渡者:法人、譲受者:個人)

3 裁決・判決の概要比較と方向性
(1)裁決・判決のまとめ
(2)親族間、同族関係者間売買か否か
(3)裁判所・審判所の時価についての考え方
(4)「時価より低い」と「時価より著しく低い」との差異
(5)第三者間売買でもみなし贈与の規定が適用
(6)時価算定における土地の権利関係の考慮

4 裁決・判決紹介
(親族間で土地を相続税評価額で売買)
1 相続税評価額で行った親族間の土地売買が相続税法第7条に規定するみなし贈与に該当しないとされた事例(H19.8.23 東京地裁判決)
・参考(H18.5.24 裁決/裁判の基となる裁決)

(第三者間で土地を低額で譲渡)
2 みなし贈与の規定を第三者間取引でも適用した事例(H17.1.12 さいたま地裁判決)

(親族間でアパートとその敷地を売買するときの価額)
3 土地建物の譲受価額が相続税法第7条に規定する「著しく低い価額の対価」に当たるものとしてなされた贈与税の課税処分が取り消された事例(H15.6.19 裁決)

(親子間で使用貸借している土地の時価)
4 請求人が譲り受けた土地の時価について審判所が調査を行い時価を算定し、それによりみなし贈与とした事例(H21.5.22 裁決)
(代表取締役が会社に土地を低額で譲渡)
5 会社の代表取締役が会社に対し時価の2分の1未満で土地を譲渡したことについて、みなし譲渡の規定が適用された事例(H3.4.26 東京地裁判決)

5 その他の参考裁決・判決
譲渡者個人・譲受者個人のケース

(親族間で著しく低い価額で売買)
1 親族間での譲渡価額が著しく低いとして相続税法第7条に規定するみなし贈与に該当するとされた事例(H24.8.31 裁決)(前出41のH19.8.23 東京地裁判決を参考とするもの)

(親子間で著しく低い価額で土地の譲渡があった場合の贈与税の課税)
2 請求人は、母から、相続税法第7条に規定する「著しく低い価額の対価」で土地持分を譲り受けたものと認められるとして贈与税が課税された事例(H24.11.13 裁決)

譲渡者個人・譲受者法人のケース
(会社が代表者から土地を低額で譲受け・受贈益課税)
3 会社代表者から買い受けた土地は、その土地の時価よりも低額であったため、時価と譲渡価額との差を受贈益として認定した課税処分は適法とした事例(H4.2.12 宇都宮地裁判決/H4.10.29 東京高裁判決)
※その他判決・裁決(所法第59条適用)

譲渡者法人・譲受者法人のケース

(建物の低額譲受け・建物等の価額の算定)
4 請求人(法人)が関連法人から譲り受けた建物等について、再建築見積価額が適正ではないとして固定資産税評価額を基礎として適正価額を計算し、低額譲受けに該当すると判断された事例(H24.8.16 裁決)

6 関連法令、通達、参考事項(建物の標準的な建築価額表)


非上場株式の売買時等の時価(税務上の時価)

1 各通達での規定内容等
(1)相続税法(財産評価基本通達)での規定内容
(2)所得税法(所得税基本通達)での規定内容とポイント
(3)法人税法(法人税基本通達)での規定内容とポイント
(4)所基通59-6、法基通9-1-14の純然たる第三者の考え方
(5)租税特別措置法基本通達の規定(参考:法人が自己株式を取得する場合の時価)
(6)株式の時価が問題となる場面

2 個人間売買時の課税と個人法人間売買時の課税関係 (主に低額譲渡の場合)
(1)個人間の場合
(2)個人法人間の場合(譲渡者:個人、譲受者:法人)
(3)個人法人間の場合(譲渡者:法人、譲受者:個人)

3 裁決・判決の概要比較と方向性
(1)裁決・判決まとめ(譲渡関係部分)
(2)同族株主が利益を受けたか、それ以外の者が利益を 受けたか
(3)同族株主にとっての時価とそれ以外の者(少数株主)にとっての時価
(4)裁判所・審判所の時価についての考え方
(5)第三者間の売買でもみなし贈与の規定が適用
(6)低額譲渡による株式価値の移転の問題等
(7)その他の論点

4 裁決・判決紹介

(代表取締役が少数株主から株式を低額で譲受け)
1 第三者から低額で非上場株式を譲り受けた場合にも相続税法第7条が適用され贈与税が課税された事例(H19.1.31 東京地裁判決)

(元代表取締役が従業員から株式を低額で譲受け)
2 従業員株主から支配株主が額面で株式を取得したところ贈与税が課税された事例(H3.11.12 仙台地裁判決)

(会長から同族関係のない者へ株式を譲渡する場合の時価)
3 同族会社の役員から非同族株主に同社株式の譲渡があったところ相続税法第7条を適用し更正処分がなされたが、取り消された事例(H17.10.12 東京地裁判決)

(代表取締役が株式を取引先の会社から低額で譲受け)
4 非上場株式について、純資産価額(相続税評価額)を参酌した価額と取引価額との差額に対応する金額を経済的利益として一時所得と認定した事例(H15.11.20 裁決)

(会社が関係会社の代表取締役に株式を低額で譲渡)
5 請求人(法人)が非上場株式を関係会社の代表者に対して額面金額で譲渡した価額は、通常の取引価額に比べ低額であるから、その価額と譲渡価額との差額は寄附金であると認定した事例(H11.2.8 裁決)

(役員が株式を同族関係にない会社へ譲渡する場合の時価)
6 同族会社の株式を保有する会社に対し同族会社の役員がその同族会社の株式を譲渡したところ、価額が低額として純資産価額と類似業種比準価額との併用で計算すべきと更正処分されたが、その処分が取り消された事例(H13.9.25 大分地裁判決)

(会社の取締役がその会社の株式を関係会社へ譲渡する場合の時価)
7 被相続人が、自己が取締役である同族会社に株式を売却する際、類似業種比準価額の約70%で譲渡したところ、純資産価額と類似業種比準価額との併用で計算すべきとされた事例 (H17.12.27 福岡高裁判決)

(譲渡価額が決まっている株式の相続税評価)
8 非上場株式につき発行会社との間で譲渡価額を額面による旨を誓約している場合において、額面価額による評価は採用できないとされた事例(H2.6.18 裁決)

(純資産価額での買取保証がある株式の相続税評価)
9 被相続人の所有する非上場株式について形式的には配当還元方式の評価とされるも、売却を希望するときは純資産価額の買取りが保証されていることから純資産価額方式で評価すべきとされた事例(H12.9.28 東京高裁判決)

(増資に伴い株式の価値の移動がある場合(個人株主から他の個人株主へ))
10 会社の増資に際し、増資前の持株割合を超えて新株を引き受けた場合に新株引受権による利益相当額はみなし贈与に該当するとされた事例(S56.8.27 大阪高裁判決)
(参考)株式の低額譲渡に伴う株主への間接的贈与(S53.5.11 大阪地裁判決)

(増資に伴い株式の価値の移動がある場合(法人株主から個人株主へ))
11 会社の増資に際し、法人株主に割り当てられた新株引受権が失権し、個人が新株を引き受けた場合に一時所得として課税された事例(S49.1.31 裁決)

(法人に資産を低額譲渡することによる株式価値の移動(類似業種比準価額及び純資産価額の計算))
12 同族法人が個人Bから土地持分を時価より低い価額の対価で譲り受けたことにより、同族法人の株主である個人Aは、株式価値の上昇に伴う経済的利益を受けたとして贈与税が課税された事例(相続税法9条適用)(H24.11.13 裁決)

(同族会社に著しく低い価額で出資持分の譲渡が行われたことによる株式価値の変動・実質的な同族関係者の判断)
13 同族会社に著しく低い価額で出資持分の譲渡が行われたことで株式の価値の増加があり、譲渡者から株主に対して贈与があったとみなされた事例(H27.4.22 東京高裁判決)

(出資持分の低額譲受/受贈益相当額は法人税法第22条第2項の「収益」に該当・実質的な同族関係者の判断)
14 同族株主(個人)から低い価額で出資持分の譲渡が行われたことで受贈益の計上漏れが指摘された事例(H27.3.27 東京地裁判決)
(参考)実質的に同族関係者か否か(H23.9.28裁決)

(自己株式の購入価額(譲渡者の譲渡価額)は適正か否か)
15 自己株式の購入価額は適正な価額であるから、資本金等の額のうち取得株式に対応する部分を超える部分については、みなし配当が生じるとした事例(H21.3.3 裁決)

5 自己株式の論点(時価と低額譲渡)

1 個人の株主が発行会社に低額で株式を譲渡した場合
2 法人の株主が発行会社に低額で株式を譲渡した場合
3 低額譲渡をした場合のみなし配当と譲渡収入の区分

6 その他の参考裁決・判決

譲渡者個人・譲受者個人のケース

(個人間売買時の法人所有不動産の評価)
1 対象会社の所有する土地建物は鑑定評価及び未償却残高ではなく相続税評価額で評価すべきとし相続税法第7条が適用された事例(H23.6.30 裁決)

譲渡者法人・譲受者法人(3は個人も含む)のケース

(法人間での株式の低額譲渡による受贈益、寄附金認定)
2 請求人(A社)の関係法人(B社)から、同法人の保有する請求人の取引会社の発行株式の全株式を取得したところ、同株式の取得価額は時価に比較して低廉であるとして当該取得価額と時価との差額は請求人に対する受贈益とされた事例(H22.9.1 裁決)

(独立第三者間の取引か否かの判断と株式の評価時点が売買時期と相違する場合)
3 B社株式の各譲渡人は、請求人(A社)の代表取締役をはじめ全員が独立第三者とは認められず、B社株式の売買価額の算定方法に経済的合理性が認められないから、B社株式の適正価額と売買価額の差額は受贈益に当たると判断された事例(H16.1.29 裁決)

(上場予定の株式を所有している会社の株価評価)
4 合併法人が被合併法人が有する株式を譲り受けるに当たり、第三者割当の際の株価が採用されず、被合併法人に寄附金認定及び合併法人に受贈益認定があった事例(H21.9.17 東京地裁判決)(確定)

(取引事例等を基に決定された譲渡価額)
5 取引事例、売買事例等を基に総合的に決めた非上場の株式の譲渡価額は適正と認められた事例(H4.1.31 裁決)

(売買実例は適正であることが前提)
6 法人間での株式の低額譲渡・株式の時価と取得価額との差額を受贈益と判示(H26.5.28 東京地裁判決)

譲渡者個人・譲受者法人のケース

(役員及び従業員より低額で子会社株式を取得した場合)
7 子会社株式を取得するに当たり時価より低いことから、時価と取得価額との差額は、受贈益の額として益金の額に算入すべきであるとされた事例(H26.6.2 裁決)
(参考)上場株式を取得日終値の90%で売買することによる課税関係(関連判決・裁決)

7 関連法令、通達、参考事項

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