事例で学ぶ 生前贈与の法務リスクと税務リスク

表紙画像: 事例で学ぶ 生前贈与の法務リスクと税務リスク

著者 湊 義和 / 湊 信明 共編著
書籍カテゴリー 資産税関係
発売日 2018年12月14日 発売
ISBN 978-4-7547-2608-9
ページ数 / 判型 548ページ / A5判
定価 3200 円 (本体価格:2963 円)

本書の内容

近年、贈与税に係る特例制度は拡大が続き、平成30年度より事業承継税制が大幅に緩和されたことから、今後、億を超えるような従来とは全く異なる規模の生前贈与事案が大幅に増加することが想定される。本書では、税理士が贈与税特例を使った生前贈与提案を進めるステップで生じるリスクやトラブルを、弁護士と共にケーススタディに基づき検証し、その防止策を検討する。

特色

● 拡大する贈与税特例制度に潜む専門家リスクへの対応についてわかりやすく解説!

● 事業承継税制における特例措置の新設により見込まれる大型の生前贈与事案について、想定リスクを詳しく検証!

● 配偶者に対する持戻し免除の意思表示の推定や遺留分制度の見直し等、民法の大改正を踏まえわかりやすく解説!

● 「21の事例」に基づき、「懸念されるリスク」「事例要旨」「リスクが発現した結果」「リスク対応のポイント」「ケーススタディへの対応策」について詳解!

● 「◇法務の視点◇」「◇税務の視点◇」により、税理士・弁護士双方の専門知識の幅を拡げる解説コメントを収載!

主要目次

生前贈与に伴う法務・税務リスクのケーススタディとその対応策

Ⅰ 法務リスク編
1 生前贈与に対する特別受益持戻しの主張に関する対策不足
2 持戻し免除の意思表示は遺留分基礎財産算定の場面では無力となるリスク
3 債務超過会社の株式を贈与された場合に生ずるリスク
4 除外合意・固定合意が特別受益に及ぼす影響に関する理解不足
5 遺留分算定における特別受益の算入期間に関する誤解
6 相続開始後5か月以内に後継者を代表者に選定できなかった場合
7 相続開始後に登記が遅れたために権利を喪失してしまった場合
8 株式が共同相続されると法定相続分に従って当然に分割されるとの誤解が招くリスク
9 遺留分対策として生命保険を利用する場合に生ずるリスク
10 株主総会や取締役会を開催しなかったために、損害賠償請求や不当利得返還請求をされるリスク
11 子による親の財産管理が不適切だったため他の共同相続人から損害賠償されるリスク
12 認知症患者から税務申告義務の依頼を受ける際に存在するリスク
13 弁護士法72条違反等を指摘されて業務遂行ができなくなるリスク

Ⅱ 税務リスク編
1 民法と税法での特別受益対象財産の違いの理解不足
2 調停・審判時の特別受益の認定による贈与税の切捨てリスク
3 相続税法49条開示請求の不行使による生前贈与財産の把握もれ
4 株価の評価引下げを考慮しないで贈与を実行するリスク
5 事業承継税制における贈与税制度選択の有利不利の説明不足
6 事業承継税制での後継者への株式の贈与方法の間違い
7 事業承継税制での先代経営者とそれ以外の者からの贈与の順番間違い
8 事業承継税制での経営承継期間内の予期せぬ親族株主の異動による猶予確定リスク


生前贈与対策に必要な法務知識

Ⅰ 平成30年改正民法の概要
A 配偶者の居住権保護に関する改正
B 遺言制度に関する改正
C 遺産分割等に関する改正
D 遺留分制度に関する改正
E 相続の効力等に関する改正
F 相続人以外の者の保護に関する改正

Ⅱ 特別受益制度について学ぶ
1 特別受益制度の概要と対応のポイント
2 特別受益の種類
A 遺贈
B 婚姻のための贈与
C 養子縁組のための贈与
D 生計の資本のための贈与
3 生計の資本のための贈与の判断が必要なケース
A 教育費の贈与
B 少額の贈与を多数回行い、合計すると相当額の贈与となる場合
C 子の債務を肩代わりした場合
D 相続人名義の預貯金
E 生命保険の死亡保険金
F 退職金
G 建物所有目的の借地権の贈与
H 相続人による底地の購入
I 親の土地の使用貸借等による特別受益
J その他の贈与についての特別受益
4 特別受益者の範囲
A 被代襲者の得た特別受益
B 代襲相続人の特別受益
C 推定相続人になる前の贈与
D 数次相続と特別受益
5 特別受益の評価基準時
A 特別受益の評価時点
B 遺産分割協議が長期化した場合
C 受贈財産が滅失し、又はその価格の増減があった場合
D 受贈財産が金銭の場合の貨幣価値の変動
6 特別受益がある場合の相続分の計算方法
7 特別受益の持戻し免除
A 特別受益の持戻し免除とは
B 特別受益の持戻し免除の意思表示の方法
C 黙示の意思表示が認定されるケース
D 配偶者保護のために認められた持戻し免除の意思表示の推定規定(平成30年改正民法)
E 特別受益持戻し免除に関する実務上のポイント
8 生前贈与の後に遺贈や「相続させる」旨の遺言がなされた場合の特別受益の取扱い
A 生前贈与後に、全ての相続財産について個別に遺贈ないし「相続させる」旨の遺言をしていた場合
B 生前贈与後に、特定の財産について遺贈ないし「相続させる」旨の遺言をしていた場合
C 生前贈与後に、生前贈与に言及しないで遺言において相続分の指定のみをしている場合
D 生前贈与後に、遺言において一部の遺産を個別に指定し、残りの遺産については相続分を指定している場合
9 家庭裁判所における特別受益の実務
A 特別受益の主張方法
B 東京家庭裁判所における運用と特別受益認定の実情

Ⅲ 遺留分制度について学ぶ
1 遺留分制度に関する平成30年改正民法の最大のポイント
2 遺留分権利者
3 遺留分の割合
A 総体的遺留分
B 個別的遺留分
4 遺留分減殺請求権(遺留分侵害額請求権)の消滅時効期間と除斥期間
A 消滅時効期間
B 除斥期間
Column 遺留分減殺請求権と取得時効との関係
5 遺留分の放棄
A 相続開始前の遺留分の放棄
B 相続開始後の遺留分の放棄
6 遺留分の対象となる生前贈与の範囲
A 遺留分額の算定
B 遺留分算定の基礎に算入される生前贈与
Column 生命保険金の受取人変更
7 遺留分算定の基礎となる財産の評価基準時
8 遺留分侵害額の算定
A 遺留分侵害額の計算方法
B 金銭請求権にかかる債務(遺留分侵害額)の消滅請求(平成30年改正民法1047③)
C 「相続させる」旨の遺言により、相続債務の全てを承継したと解される場合の遺留分侵害額の算定方法
9 遺留分減殺請求(遺留分侵害額請求)の方法
A 遺留分減殺請求権者・遺留分侵害額請求権者
B 遺留分減殺請求権行使の相手方
C 遺留分減殺請求権・遺留分侵害額請求権行使の方法
D 遺留分減殺請求・遺留分侵害額請求の順位
E 減殺対象の選択の可否
F 共同相続人間における遺留分減殺請求・遺留分侵害額請求の方法
G 相続分の指定等があった場合の遺留分減殺請求・遺留分侵害額請求の方法
H 遺留分減殺請求権・遺留分侵害額請求権と寄与分の関係
10 遺留分減殺請求・遺留分侵害額請求の効果
A 基本的効果
B 遺留分減殺請求権・遺留分侵害額請求権の法的性質とその帰結
C 遺留分減殺請求権・遺留分侵害額請求権の行使と第三者に対する関係
D その他の効力
E 現物返還に代わる価額弁償(減殺請求の相手方からの価額弁償権)
11 経営承継円滑化法(固定合意、除外合意)について
A 経営承継円滑化法制定の趣旨
B 経営承継円滑化法の概要
C 経営承継円滑化法と特別受益の持戻し免除の意思表示との関係
D 遺留分事前放棄との比較
12 除外合意、固定合意の利用の実情
13 遺留分の放棄と特別受益の関係

Ⅳ 生前贈与と認知症対策
1 法定後見制度
A 法定後見制度の概要
B 法定後見の各要件と効果
C 法定後見制度のメリット
D 法定後見制度のデメリット
E 法定後見制度における生前贈与の可能性
2 任意後見制度
A 任意後見制度の概要
B 任意後見契約の開始
C 任意後見のメリット・デメリット
D 任意後見制度における生前贈与の可能性
3 家族信託(自益信託)の活用
A 家族信託の概要
B 信託制度とは
C 自益信託
D 家族信託(自益信託)の活用事例
E 家族信託の留意点
F 家族信託における生前贈与の可能性
4 財産管理における実務上の重要事項
A 後見・信託等の制度利用及び財産管理契約の重要性
B 財産管理権限の濫用
C 管理記録及び証憑の重要性

Ⅴ ケーススタディに関するその他の重要事項
1 代表取締役を株主総会で選定することの可否
2 共同相続における権利の承継と対抗要件の具備
3 株式が相続された場合の議決権行使方法
4 株主総会や取締役会を現実に開催しないことから生ずるリスク
5 弁護士法72条違反リスクに注意する


生前贈与対策に必要な税務知識

Ⅰ 拡大する贈与税特例制度の改正推移

Ⅱ 事業承継税制による非上場株式の贈与税の納税猶予制度
1 平成30年度創設の特例措置と一般措置との比較
2 特例措置に対応した用語の整理
3 贈与税・納税猶予制度の特例措置の概要
4 贈与税・納税猶予制度の特例措置の詳細
A 特例の適用対象となる会社
B 贈与者の要件
C 受贈者の要件
D 贈与可能株式数
E 納税猶予税額
F 担保提供義務
G 継続届出義務
H 納税猶予税額の確定事由
I 納税猶予確定時の納付税額
J 納税猶予税額が免除される場合
5 相続税・納税猶予制度の特例措置の概要
A 特例承継計画の策定及び確認申請
B 相続の開始
C 認定申請
D 特例認定承継会社の要件
E 被相続人の要件
F 相続人の要件
G 分割要件
H 相続税の申告
I 猶予される相続税額
J 特例経営相続承継期間
K 特例経営相続承継期間における報告義務
L 特例経営相続承継期間の経過後の報告義務
M 納税猶予税額の免除
6 今後10年間の特例措置の適用関係
7 税理士の本制度への対応準備
A 提出及び報告に関する期日管理
B それ以外の期日管理

Ⅲ 大きく変容した相続時精算課税制度の選択リスク及び未選択リスク
1 暦年課税制度と相続時精算課税制度の概要と両制度の差異
A 暦年課税制度
B 相続時精算課税制度
C 暦年課税制度と相続時精算課税制度の違い
2 事業承継税制の納税猶予確定時の税負担の差異
3 納税猶予確定後に贈与者が死亡した場合の相続税の計算と両制度の差異
A 暦年課税制度-納税猶予が確定し特例贈与日が特例贈与者の相続開始前3年以内の場合
B 暦年課税制度-納税猶予が確定し特例贈与日が特例贈与者の相続開始日前3年より以前の場合
C 相続時精算課税制度を選択-納税猶予が確定した後に相続が開始した場合
D まとめ
4 生前贈与を並行して行う場合の両制度の差異

Ⅳ 特別受益、遺留分の対象となる贈与財産と相続税の課税贈与財産の差異
A 特別受益の対象となる贈与
B 遺留分の対象となる贈与
C 暦年課税制度による贈与
D 相続時精算課税制度による贈与

Ⅴ 特別受益がある場合の民法の相続分及び相続税の計算事例

Ⅵ 生前贈与実行前の自社株式の評価引下げ対策
1 非上場株式等の財産評価の基礎知識
A 同族株主
B 同族株主がいる会社での評価方法
C 会社の規模の判定
D 会社の規模に応じた原則的評価方式
E 類似業種比準価額方式
F 純資産価額方式
2 評価引下げ対策
A 役員退職金対策
B 設備投資関連税制の特例活用
C 既存事業のスクラップアンドビルド

Ⅶ 贈与と譲渡の選択の重要性
1 無価値又は低価値の財産を移転させた場合の税務と法務
A 税務の取扱い
B 法務の取扱い
2 実務上のポイント

Ⅷ 過去の贈与税に関する開示請求手続
1 相続税法49条の開示請求手続
A 制度の概要
B 開示請求ができる者
C 開示請求ができる理由
D 開示請求内容
E 開示請求時期
F 開示請求手続
G 開示時期
2 事業承継税制による生前贈与情報の開示
3 実務上の留意点

Ⅸ 遺留分減殺請求と相続税申告
1 遺留分減殺請求と相続税申告対応(平成30年改正民法施行前)
A 物権共有事案
B 遺産共有事案
2 物権共有事案の場合
A 更正の請求等の手続期限
B 小規模宅地等の特例の再選択の是非
3 遺産共有事案の場合
4 遺留分減殺請求と相続税申告対応(平成30年改正民法施行後)

Ⅹ その他の贈与税制度の概要と注意点
1 配偶者への居住用財産等の贈与に係る2000万円の配偶者控除制度
A 制度の概要
B 用語の定義等
C 相続税の相続開始前3年以内の贈与の加算との関係
E 平成30年民法改正の影響
2 住宅取得資金の贈与の非課税制度
A 制度の概要
B 用語の定義
C 贈与者が死亡した場合の相続税の課税関係
D 受贈者が贈与者より先に死亡した場合の相続税の課税関係
E 相続時精算課税制度を併用した場合の特例
3 扶養義務としての贈与の非課税制度
A 概要
B 用語の定義
4 教育資金の一括贈与の非課税制度
A 制度の概要
B 用語の定義
C 教育資金管理契約終了日までに贈与者が死亡した場合の相続税の課税関係
D 贈与者が死亡する前に教育資金管理契約が終了した場合の課
税関係
E 贈与者が死亡した後に教育資金管理契約が終了した場合の贈与税の課税関係
F 贈与者が死亡する前に受贈者が死亡して教育資金管理契約が終了した場合の課税関係
G 適用期限
5 結婚子育て資金の一括贈与の非課税制度
A 制度の概要
B 用語の定義
C 結婚・子育て資金管理契約終了日までに贈与者が死亡した場合の相続税の課税関係
D 贈与者が死亡する前に教育資金管理契約が終了した場合の課税関係
E 贈与者が死亡した後に結婚・子育て資金管理契約が終了した場合の課税関係
F 贈与者が死亡する前に受贈者が死亡して結婚・子育て資金管理契約が終了した場合の課税関係
G 適用期限
6 障がい者支援のための贈与制度
A 特定障がい者扶養信託契約に基づく信託受益権の非課税制度
B 用語の定義
C 受贈者が死亡した場合の課税関係
D 信託財産の全部について遺留分の減殺請求があった場合
E A以外の障がい者の支援制度
7 資力喪失者支援のための贈与税免税制度
A 対象となる取引
B 贈与税が課税されない場合
8 代表者借入金を相続対策で債務免除した場合のみなし贈与課税
9 国境を越えた贈与に関する取扱い
A 基本的な枠組み
10 孫や孫養子への贈与又は遺贈と相続税の2割加算等の関係
A 相続税の2割加算の規定
B 孫や孫養子への生前贈与
11 社会貢献のための贈与(寄附)
A 公益社団法人・公益財団法人への寄附・贈与
B 非営利型の一般社団法人・一般財団法人への寄附
C 非営利型法人以外の一般社団法人・一般財団法人への寄附
D 人格のない社団等への寄附
12 相続税対策のための生前贈与
A 相続税課税対象財産の生前贈与
B 納税資金確保のための保険対策
13 認知症対策のための生前贈与と家族信託
A 信託契約の内容
B 信託契約の課税関係
C 流通税
D 受託者の義務


参考資料
参考資料1 民法及び家事事件手続法の一部を改正する法律案 新旧対照条文
1 民法(明治29年法律第89号)(第1条関係)
2 民法(第2条関係)
3 家事事件手続法(平成23年法律第52号)
参考資料2 贈与税(暦年課税)の速算表
参考資料3 相続税の速算表
参考資料4 相続税法49条1項の規定に基づく開示請求書

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