裁決事例集 (第90集)
著者 | 大蔵財務協会 編 |
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書籍カテゴリー | 裁判例・裁決例関係 |
刊行日 | 2014年5月16日 刊行 |
ISBN | 978-4-7547-2067-4 |
ページ数 / 判型 | 344ページ / A5判 |
定価 | 税込3,056円(本体2,778円+税10%) |
本書の内容
国税不服審判所では、審査請求事件の裁決のうち法令の解釈、適用に関し、先例となるべき判断を含んだもの又は他に参考となるべき重要な判断を含んだもの、事実認定に関し他の参考となるべき判断を含んだものを公表しており、その公表された裁決事例を全て収録。今回の第90集は、平成25年1月から平成25年3月までの公表裁決を収録。
主要目次
〈平成25年1月~3月分〉
一 国税通則法関係
(重加算税(推計課税事件で重加算税を賦課した事例))
1 過少に計上された売上げには隠ぺい仮装が認められ、他方で、推計の方法により否認した経費には隠ぺい仮装は認められないとした事例(①平成16年分~平成22年分の所得税並びに平17.1.1~平22.12.31の各課税期間の消費税及び地方消費税に係る重加算税の各賦課決定処分、②各修正申告・①全部取消し、一部取消し、棄却、却下、②却下・平25.2.25裁決)
(国税に関する法律に基づく処分)
2 「更正の申出に対してその更正をする理由がない旨のお知らせ」は国税に関する法律に基づく処分に該当しないとした事例(更正の申出に対してその更正をする理由がない旨のお知らせ・却下・平25.1.17裁決)
二 所得税法関係
(必要経費(その他の管理費用))
3 請求人が代表取締役を務める同族会社に対し不動産の管理費として支払った金員は、証拠によれば、当該同族会社が行った管理業務の対価であると認められるとした事例(平成20年分~平成22年分の所得税の各更正処分及び過少申告加算税の各賦課決定処分・全部取消し、一部取消し・平25.3.4裁決)
(事業所得(収入すべき時期))
4 請負契約に係る収入金額の収入すべき時期は、役務の提供の完了した日とした事例(①平成20年分~平成22年分の所得税の各更正処分及び過少申告加算税の各賦課決定処分、②平20.1.1~平22.12.31の各課税期間の消費税及び地方消費税の各更正処分・・一部取消し、棄却・・一部取消し・平25.3.25裁決)
(必要経費(貸倒損失))
5 未収リース相当額の債権に係る貸倒損失は事業の遂行上生じたものであるとした事例(平成20年分及び平成21年分の所得税の各更正処分及び過少申告加算税の各賦課決定処分・一部取消し・平25.3.19裁決)
(雑所得と認めた事例)
6 客船の船室及び船内施設を他人に利用させるなどして得た所得は雑所得に該当するとした事例(平成20年分~平成22年分の所得税の各更正処分及び過少申告加算税の各賦課決定処分・棄却・平25.3.27裁決)
(源泉徴収(匿名組合契約に基づく利益の分配))
7 源泉徴収の対象となる匿名組合契約に基づく利益の額の計算上、契約内容の異なる別個の匿名組合契約に係る損失の額及び別途支払うこととされている管理費用の額を控除することはできないとした事例(平成24年1月分の源泉徴収に係る所得税の納税告知処分及び不納付加算税の賦課決定処分・一部取消し・平25.3.1裁決)
三 法人税法関係
(従業員に対する奨学金)
8 業務に関連する資格取得のために専門学校に入学した従業員に対して、請求人が奨学金として負担した金員は貸付金と認められるから、当該奨学金は損金の額に算入されないとした事例(①平18.4.1~平19.3.31の事業年度の法人税の更正処分、②平20.4.1~平21.3.31の事業年度の法人税の更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分(異議決定による一部取り消し後のもの)、③平21.4.1~平23.3.31の各事業年度の法人税の各更正処分及び各再更正処分並びに過少申告加算税の各賦課決定処分・棄却・平25.3.18裁決)
(青色申告承認取消通知書の理由付記)
9 青色申告の承認の取消処分に係る通知書に記載された理由からは、いかなる事実が取消事由に該当するのか了知し得るものとはいえないから、理由付記に不備があるとした事例(平19.7.1~平20.6.30の事業年度以後の法人税の青色申告の承認の取消処分・取消し・平25.3.28裁決)
四 相続税法関係
(贈与財産の範囲(経済的利益の享受))
10 有料老人ホームの入居契約に基づき返還金受取人が取得した入居一時金に係る返還金請求権に相当する金額の経済的利益は、相続税法第9条でいう「みなし贈与」により取得したものとした事例(平成21年7月相続開始に係る相続税の①更正処分及び②無申告加算税の賦課決定処分・①一部取消し、②棄却・平25.2.12裁決)
(贈与事実の認定(現金等))
11 請求人名義の預貯金口座への各入金の事実によって、その原資が請求人の母の預貯金口座からの各出金に係る金員であると推認することはできないから、当該各入金に係る金員は贈与により取得したとは認められないとした事例(平成17年分及び平成19年分の贈与税の各決定処分及び無申告加算税の各賦課決定処分・全部取消し・平25.2.28裁決)
(相続税の課税価格の計算(債務控除))
12 相続人らから本件被相続人への本件各金員の支出は、本件被相続人が相続税対策のために相続人らに贈与を行っていたことなどからすると、相続人らから本件被相続人への贈与であったとみることは困難であるから、本件各金員は、相続人らから本件被相続人に貸し付けられたものと認められるとした事例(平成20年分相続税の各更正処分及び過少申告加算税の各賦課決定処分・全部取消し・平25.3.4裁決)
(更正の請求の特則)
13 遺留分権利者が遺留分減殺を原因とする土地の共有持分移転登記請求訴訟によって同土地の共有持分権を取り戻したことは、遺留分義務者の相続税法第32条第3号の更正の請求事由に当たるとした事例(平成18年1月相続開始に係る相続税の更正の請求に対してされた更正をすべき理由がない旨の通知処分・全部取消し・平25.1.8裁決)
五 消費税法関係
(資産の譲渡等の範囲(「事業として対価を得て行われる」の意義))
14 請求人が所有する会館を檀家以外の者に利用させ利用料を受領したことは「事業として対価を得て行われる資産の貸付け」に該当するとした事例(①平18.4.1~平23.3.31の各事業年度の法人税の各更正処分及び過少申告加算税の各賦課決定処分、②平18.4.1~平23.3.31の各課税期間の消費税及び地方消費税の各更正処分並びに過少申告加算税の各賦課決定処分・棄却・平25.1.22裁決)
六 国税徴収法関係
(源泉所得税の納税告知処分と滞納処分との関係)
15 源泉徴収に係る所得税の納税告知処分の違法性は滞納処分に承継されないとした事例(債権の差押処分・棄却・平25.2.19裁決)
(無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務)
16 請求人が賃借人から敷金の返還義務を免除されたことが、国税徴収法第39条の無償譲渡等の処分に当たらないとした事例(第二次納税義務の納付告知処分・全部取消し・平25.3.27裁決)