Q&Aと解説で分かる!! 実務に役立つ土地の貸借等の評価
著者 | 松本 好正 著 |
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書籍カテゴリー | 資産税関係 |
刊行日 | 2017年1月30日 刊行 |
ISBN | 978-4-7547-2387-3 |
ページ数 / 判型 | 440ページ / B5判 |
定価 | 税込3,972円(本体3,611円+税10%) |
本書の内容
土地の貸借については、①通常の借地権設定契約による場合、②借地権を無償で返還することを約して賃貸借契約を締結する場合、③定期借地権設定契約による場合、さらには、④親子間で見られるように使用貸借により土地を貸付ける場合、⑤資材置のための土地の賃貸借の場合など様々である。一般的に賃借権や借地権であれば、評価通達で定められている賃借権割合及び借地権割合により評価することができるが、それとは異なる特殊な形態により土地の貸借を行った場合の評価(貸地及び借地)については、明確な規定がなく、あっても非常に分かり難いと考えられている。さらに、昨今の改正により相続税の課税対象者の範囲が拡大され、特に地価の高い都心部を中心に借地権は多く活用されていることなどから、今まで、無関心だった者も借地権について関心を寄せている。また、関連士業はもちろん、土地オーナーや借主・地主の双方において借地権・貸地の評価の仕方を理解しておくことは非常に重要となっている。本書では、まず、借地権の存否についての税法上の考え方を記述し、土地の貸借に応じた借地権・貸地の評価実務の取扱いについて、Q&A形式で様々なモデルケースを例示しながら多角的に解説している。
特色
★ 賃借権と借地権の相違
★ 貸建付地の評価方法とその範囲
★ 相当地代通達による借地権の評価
★ 定期借地権の評価実務の詳細
★ 使用貸借に係る土地の評価
主要目次
第1章 土地の上に存する権利等の評価
1 借地権及び貸宅地の評価
Q1 借地権の意義
Q2 借地権価額の発生要因
Q3 一時使用のための借地権
Q4 借地権の存否(バッティングセンターの貸付地)
Q5 借地権の存否(中古車展示場用地)
Q6 採用する借地権の面積
Q7 借地権の及ぶ範囲
Q8 鉄道の高架下の借地権
Q9 評価単位(地目の異なる土地が一体として利用されている場合)
Q10 評価単位(自宅と借地権が一体として利用されている場合)
Q11 評価単位(複数の地目の土地を一体利用するために貸付けている場合)
Q12 借地権の取引慣行がないと認められる地域にある貸宅地
Q13 貸宅地内の私道
Q14 貸宅地の評価の特例
2 転借権及び転貸借地権
Q15 転借権(建物を貸付けている場合)
Q16 転貸借地権
3 貸家建付地等の評価
Q17 貸家建付借地権
Q18 貸家が一時的に空家となっている場合の貸家建付地
Q19 アパートの一室が一時的に空室となっている場合の貸家建付地
Q20 賃貸する目的で建築中の家屋の敷地
Q21 貸ビル内の駐車場の敷地(貸ビル敷地内)
Q22 従業員社宅の敷地
Q23 建物の賃貸借予約契約がある場合における貸家建付地
Q24 使用貸借により借り受けている貸家の敷地
4 賃借権及び賃借権の目的となっている雑種地の評価
Q25 貸駐車場として利用している土地
Q26 貸駐車場として利用している土地
Q27 一時使用のための借地権
Q28 臨時的な使用に係る賃借権
Q29 商業施設の駐車場の用に供するための賃借権
Q30 賃借権の目的となっている土地の評価等
Q31 ゴルフ練習場用地として貸付けられている土地
Q32 構築物を第三者に貸付けている場合
Q33 賃借権の残存期間
Q34 相当の地代の授受がある賃借権の評価
5 その他の権利の評価
Q35 地上権
Q36 地上権の目的となっている土地
Q37 存続期間が100年を超える地上権の目的となっている宅地
Q38 区分地上の価額
Q39 区分地上権の目的となっている宅地
Q40 区分地上権と地上権の違い
Q41 区分地上権に準ずる地役権の価額
Q42 区分地上権に準ずる地役権の割合が定められている理由
Q43 農地に係る区分地上権に準ずる地役権
Q44 区分地上権に準ずる地役権の目的となっている宅地等
Q45 区分地上権に準ずる地役権の目的となっている広大地の評価
Q46 トンネルの所有を目的とする区分地上権が設定された借地権
Q47 借地権及び区分地上権が設定されている貸宅地
Q48 区分地上権の目的となっている貸家建付地
Q49 区分地上権に準ずる地役権が設定された借地権
Q50 借地権及び区分地上権に準ずる地役権が設定された貸宅地
第2章 定期借地権等の評価
1 定期借地権創設の背景
2 定期借地権の評価
Q51 簡便法による定期借地権等の評価
Q52 定期借地権等の設定時における土地の時価
Q53 定期借地権者に帰属する経済的利益の総額
Q54 借地人に帰属する経済的利益(権利金等がある場合)
Q55 借地人に帰属する経済的利益(保証金等がある場合)
Q56 差入保証金に係る経済的利益の計算(無利息の場合)
Q57 差入保証金に係る経済的利益の計算(利息付の場合)
Q58 借地人に帰属する経済的利益(差額地代がある場合)
Q59 差額地代に係る経済的利益の計算(権利金あり)
Q60 差額地代に係る経済的利益の計算(保証金あり)
Q61 定期借地権等の評価における残存期間年数
Q62 基準年利率が定期借地権設定時と課税時期が異なる場合
Q63 簡便法によることができない弊害がある場合
Q64 定期借地権者が預託した保証金(無利息の場合)
Q65 定期借地権者が預託した保証金(利息の支払がある場合)
Q66 定期借地権の評価(総合)
3 定期借地等の目的となっている土地の評価
Q67 定期借地権の目的となっている土地の評価(原則)
Q68 一般定期借地権の目的となっている土地の評価(個別通達)
Q69 地主が定期借地権設定者から預った保証金(利息付)
Q70 定期借地権の目的となっている土地の評価(総合)
4 一括賃料前払金の授受が行われた場合の相続税等の評価
Q71 前払賃料方式により定期借地権が設定された場合の前払賃料の取扱い
第3章 相当地代通達による借地権等の評価
1 相当地代通達の対象
2 借地権関係
Q72 相当の地代額の基礎となる自用地としての価額
Q73 相当の地代額の算定に当たり6%とした理由
Q74 相当の地代額の算定(権利金等の授受がない場合)
Q75 相当の地代額の算定(権利金等の授受がある場合)
Q76 贈与とみなされる経済的利益(権利金等の支払がなし)
Q77 贈与とみなされる経済的利益(一部権利金等の支払あり)
Q78 権利金又は相当地代のいずれにより課税するか
Q79 法人税基本通達と相当地代通達の借地権の価額を求める算式
Q80 相当の地代が支払われている場合の借地権の価額(権利金なし)
Q81 相当の地代が支払われている場合の借地権の評価(権利金等あり)
Q82 支払地代の額が相当の地代に満たない場合(権利金等なし)
Q83 支払地代の額が相当地代に満たない場合(権利金等あり)
Q84 土地の無償返還の届出と相当地代の改訂の届出の相違
Q85 「相当の地代の改訂方法に関する届出書」と「土地の無償返還に関する届出書」の提出
Q86 「土地の無償返還に関する届出書」が未提出だった場合
Q87 「土地の無償返還に関する届出書」が未提出だった場合
Q88 相当の地代額を引き下げた場合
Q89 相当地代通達の適用がある貸家建付借地権
Q90 一般借地権を転貸し、相当の地代を支払うとした場合の転借権
Q91 相当地代通達の適用がある借地権の転貸
3 貸地関係
Q92 相当の地代が支払われている場合の貸宅地及び借地権の価額(権利金等の収受なし)
Q93 相当の地代が支払われている場合の貸宅地及び借地権の価額(権利金等の収受あり)
Q94 昭和43年通達の適用要件
Q95 相当地代に満たない地代が支払われている場合の貸宅地及び借地権の価額(昭和43年通達適用あり)
Q96 相当地代に満たない地代が支払われている場合の貸宅地及び借地権の価額(昭和43年通達適用なし)
Q97 土地の無償返還に関する届出書の提出がある場合の貸宅地及び借地権の価額(賃貸借契約の場合)
Q98 土地の無償返還に関する届出書の提出がある場合の貸宅地及び借地権の価額(使用貸借の場合)
第4章 土地等の使用貸借
1 使用貸借の意義
2 土地等の使用貸借関係の課税の流れ
3 大阪地方裁判所判決
4 使用貸借通達の内容と課税関係
Q99 土地の無償使用に対する課税
Q100 借地権の使用対価に係る課税
Q101 貸家の用に供している使用貸借の土地の評価
参考資料
◎財産評価基本通達(抜粋)
◎一般定期借地権の目的となっている宅地の評価に関する取扱いについて
◎定期借地権の賃料の一部又は全部を前払いとして一括して授受した場合における相続税の財産評価及び所得税の経済的利益に係る課税等の取扱いについて
◎相当の地代を支払っている場合等の借地権等についての相続税及び贈与税の取扱いについて
◎相当の地代を収受している貸宅地の評価について
◎使用貸借に係る土地についての相続税及び贈与税の取扱いについて
◎平成28年分の基準年利率について(法令解釈通達)