ハイドアンドシーク 2
著者 | 伏見 俊行 著 |
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書籍カテゴリー | その他全般(税務関係) |
刊行日 | 2019年5月14日 刊行 |
ISBN | 978-4-7547-2680-5 |
ページ数 / 判型 | 376ページ / 四六判 |
定価 | 税込2,420円(本体2,200円+税10%) |
本書の内容
国税調査官・和田と敏腕経営コンサルタント・三浦の国際的租税回避を巡る終わりなき闘いの第二幕が今、開く――。
インドネシアに国際協力事業団の専門家として派遣されることになった和田。この地で三浦と運命の再会を果たす。英国、インドネシア、シンガポール、日本を舞台に繰り広げられる国際的租税回避の攻防。
「租税回避はビジネスの常識。法を犯していない限り、何も悪いことではない。権力には屈しない」 三浦の言葉に憤る和田。 「法を犯していなければ何をしてもよいと言うのか。自分だけよければという行動は許せない。租税回避で失われた財源は、結局、弱者、一般国民が負担することになる。それでよいのか」
正義とは何か、租税回避は是か否か、アジアの新興国とどのように関わっていくか――新興国における日本の税務協力の足跡を辿るとともに、インドネシア税務総局の仲間との心の交流を描きながら、国際的租税回避の深層に深く切り込むハイドアンドシークの物語が再び始まる。
主要目次
第1章 新たなハイドアンドシークの始まり
1 新たな旅立ち ──ジャカルタ暴動──
2 インドネシアとは
3 着任 ──インドネシア税務研修所と国税総局──
第2章 巨額脱税スキームの始まり
1 ロンドンに現れた租税回避コンサルタント
2 アジアを舞台にした移転価格戦略スキームの始まり
3 大英博物館、セントポール大聖堂
4 ジャカルタ国際大学建設プロジェクトと巨額工作資金捻出スキーム
第3章 新興国税務行政支援/開拓の道
1 待ちぼうけ
2 エレベーター監禁事件とパンク強盗
3 少年野球チーム
4 日本語教室
5 メモリー、そして格差問題
6 貧困と将来の夢
7 第2の危機スマンギ事件
8 ジョグジャカルタ・ガジャマダ大学博士号
9 老紳士との再会
10 ドゥーク
第4章 何が正義で、何が不正義か
1 2つの宿題
2 税の公平とは ──インドネシア付加価値税改革支援──
3 総選挙
4 所属先・事務所の変更(国税総局顧問就任)
5 中小企業振興策と税
6 インドネシア国税総局長の交代
7 何が正義で、何が不正義か
第5章 巨額租税回避スキームを追え
1 巨額脱税事件の疑惑
2 国税局の挑戦 ──英国当局との情報交換──
3 浮かび上がる脱税工作スキーム
4 インドネシアを揺るがす大スキャンダル
5 犠牲者
6 バンドン・グドゥンムルデカ
7 日本とインドネシア ──なぜ日本は発展したか──
第6章 アジアを舞台にした移転価格スキーム
1 シンガポールからのメール
2 租税回避コンサルタントからの挑戦
3 美人コンサルタント
4 アジアを舞台にした移転価格スキーム
5 インドネシア当局からの指摘
6 税務調査勉強会
7 対決 インドネシア当局vs租税回避コンサルタント
8 インドネシア税務当局による課税の強行
9 税収確保と税務行政
10 日本の親会社への税務調査
11 租税法律主義
12 インドネシアでの勝利
第7章 援助する国される国
1 魅惑の島バリ
2 密会
3 バリのめぐり逢い
4 小さな親切・大きなお世話?
5 誰のための援助なのか
6 援助する国される国
第8章 再会と別れ
1 シンガポールでの再会
2 提案 ─途応分負担、応能負担と移転価格税制─
3 未来へつながる友情
4 「税務行政の在り方 ─途上国税務行政の発展を祈って─」
5 インドネシアとの別れ
(参考)
1 「インドネシア税務行政支援提言」(2004年5月5日作成、インドネシア政府へ手交)
2 「移転価格上の税務コンプライアンスの維持・向上に向けた取組み」2012年4月24日講演概要
3 「アジアの税務当局の国際課税への思いと今後の動向」月刊「税理」(ぎょうせい)2016年8月号記事抜粋
4 「『日本─インドネシア税務交流会』創設 〜伝えたい日本の税務行政の経験と今後の新興国支援の在り方〜」月刊「税理」(ぎょうせい)2018年6月号記事抜粋
5 「新興国進出に伴う課税リスクとその対応」月刊「税理」(ぎょうせい)2019年2月号記事抜粋
6 インドネシアよもやま話
⑴ イスラムの教え
⑵ イスラムの習慣
⑶ 刑罰の話
⑷ ハッジ(巡礼)の儀式
⑸ イスラムの仕事に対する考え方
⑹ おもしろいインドネシア語