上場株式等に係る利子・配当・譲渡所得等における課税方式の有利選択(五訂版)
著者 | 秋山 友宏 著 |
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書籍カテゴリー | 所得税関係 |
刊行日 | 2023年1月16日 刊行 |
ISBN | 978-4-7547-3088-8 |
ページ数 / 判型 | 304ページ / B5判 |
定価 | 税込2,420円(本体2,200円+税10%) |
本書の内容
令和4年度の税制改正において、令和5年分の所得(令和6年度分住民税)から、住民税の特定配当等及び特定株式等譲渡所得金額の課税方式を所得税と一致させることとされた。しかし、令和4年分の確定申告までは、住民税で所得税と異なる課税方式を選択することが可能であり、申告・申告不要の選択には保険料負担等を踏まえた慎重な判断を要する。今版では、令和4年分の所得から適用される改正を踏まえ、説明内容の見直しを行うとともに、令和5年以降の課税方式を一致させる場合の有利選択についても説明する。
特色
●金融証券税制の概要(所得税の課税方式と上場株式等の内容及び範囲)
●上場株式等に係る所得の課税方式の選択と源泉徴収選択口座の取扱い
●上場株式等に係る所得における譲渡所得の特例と税額控除制度の活用
●保険料負担を踏まえた個人住民税における所得税と異なる課税方式の選択
以上を踏まえ、14の事例に基づき、
・所得税と個人住民税における課税方式選択の考え方
・所得税の確定申告書の「住民税に関する事項」欄の記入
についてわかりやすく解説。
また、今版では、
① 第Ⅰ章から第Ⅴ章までの説明で掲げた【事例】については、結論に至る解説を充実。
② 第Ⅵ章の「課税方式の選択事例」における各事例について、各所得ごとの所得税と住民税の課税方式を表形式でまとめた上で、所得税確定申告書の第二表の「住民税に関する事項」欄の記載の仕方を加筆。
主要目次
Ⅰ 金融証券税制の概要 〜所得税の課税方式・上場株式等の内容と範囲〜
【本章の構成と主な内容】
〔所得税の課税方式〕
1 課税方式の種類とその選択の効果
◆1 所得税の課税方式
◆2 課税方式と所得金額による制限
◆3 課税方式の選択とその効果
◆4 修正申告時等における選択替えの可否
〔金融証券税制の概要〕
2 譲渡等の際に申告分離課税とされる"株式等"
◆1 平成28年分から"株式等"に加えられたもの
◆2 申告分離課税とされる"株式等"
◆3 申告分離課税とされる"株式等"から除かれるもの
3 上場株式等と一般株式等の区分とその課税方式
◆1 "上場株式等"と"一般株式等"の区分
◆2 上場株式等に係る課税方式(概要)
◆3 一般株式等に係る課税方式(概要)
〔上場株式等の内容と範囲〕
4 上場株式等とされる株式・出資・投資信託等
◆1 取引所への上場と公募
◆2 株式等で金融商品取引所に上場されているもの等
◆3 受益権等の募集が公募によるもの
5 上場株式等とされる公社債(特定公社債)
◆1 公社債とは
◆2 公社債のうち特定公社債とされるもの
Ⅱ 上場株式等に係る利子等・配当等の課税方式の選択
【本章の構成と主な内容】
〔上場株式等の利子等・配当等〕
1 上場株式等に係る利子等・配当等の課税方式の概要
◆1 総合課税と申告分離課税
◆2 配当等の総合課税
◆3 利子等及び配当等の申告分離課税
◆4 申告の際の課税方式の選択
2 上場株式等に係る利子等とその課税方式の選択
◆1 上場株式等の利子等とされるもの
◆2 源泉(特別)徴収
◆3 課税方式とその選択
3 上場株式等に係る配当等とその課税方式の選択
◆1 上場株式等に係る配当等とされるもの
◆2 源泉(特別)徴収
◆3 課税方式とその選択
4 特定口座に受け入れられた利子・配当の申告又は申告不要の選択
◆1 「配当等の額及び源泉徴収税額等」欄
◆2 「特定上場株式等の配当等」欄
◆3 「上記以外のもの」欄
Ⅲ 上場株式等に係る譲渡所得等の課税方式の選択
【本章の構成と主な内容】
〔上場株式等の譲渡所得等〕
1 上場株式等に係る譲渡所得等の課税方式の概要
◆1 上場株式等の譲渡等に係る3つの所得区分
◆2 口座の種類と譲渡損益の計算単位
◆3 譲渡損益の通算(所得内通算)
◆4 譲渡損失の損益通算と繰越控除
◆5 申告分離課税の税率を適用する"上場株式等に係る課税譲渡所得等の金額"
2 上場株式等の譲渡等は3つの所得区分
◆1 事業所得・譲渡所得・雑所得の所得区分
◆2 所得金額の計算における差異
3 特定口座の種類とその申告方法
◆1 簡易申告口座と源泉徴収選択口座
◆2 利子配当受入れ源泉徴収選択口座
4 特定口座年間取引報告書の記載と申告又は申告不要の選択
◆1 上場株式等の譲渡等が譲渡益の場合
◆2 譲渡損失が利子・配当と損益通算されている場合[その1]
◆3 譲渡損失が利子・配当と損益通算されている場合[その2]
5 譲渡損失の損益通算と繰越控除
◆1 上場株式等に係る配当所得等の金額との損益通算
◆2 損益通算及び譲渡損失の繰越控除の対象とならない譲渡(例示)
◆3 譲渡損失の繰越控除
Ⅳ 譲渡所得の特例と税額控除 ~税負担軽減のための各種制度の活用~
【本章の構成と主な内容】
〔譲渡所得の特例〕
1 相続等で取得した上場株式等の譲渡における相続税額の取得費加算
◆1 制度の概要と適用要件
◆2 取得費に加算する相続税額
◆3 上場株式等の譲渡所得についての適用
〔税額控除〕
2 上場株式等に係る所得と分配時調整外国税相当額控除
◆1 源泉徴収の際の外国税相当額の調整
◆2 分配時調整外国税相当額控除
◆3 分配時調整外国税相当額控除の対象となる配当等
◆4 分配時調整外国税相当額控除に係る申告
3 上場株式等に係る所得と外国税額控除
◆1 国内の支払の取扱者経由で配当等を受ける場合の源泉徴収
◆2 外国税額控除制度の概要(控除限度額と控除順序)
◆3 所得税の控除限度額の詳細
◆4 具体例による控除限度額の算定
◆5 外国税額控除に係る申告
Ⅴ 住民税における課税方式の選択 〜保険料負担を踏まえた有利選択〜
【本章の構成と主な内容】
1 住民税における異なる課税方式の選択(選択可能所得)
◆1 所得税と異なる課税方式を選択できるもの
◆2 特定配当等
◆3 特定株式等譲渡所得金額
2 課税方式選択のための社会保険制度のあらまし
◆1 所得税・住民税・社会保険料の負担
◆2 国民健康保険制度のあらまし
◆3 後期高齢者医療制度のあらまし
3 特定配当等に係る有利選択
◆1 特定配当等の区分と課税方式の選択
◆2 特定上場株式等の配当等に係る有利選択
◆3 総合課税を選択できない上場株式等の配当等に係る有利選択
◆4 割引債等の償還金に係る差益金額についての有利選択
4 特定株式等譲渡所得金額(源泉徴収選択口座内調整所得金額)に係る有利選択
◆1 所得内通算をするため源泉徴収選択口座を申告した場合の影響
◆2 前年以前から繰り越されてくる上場株式等の譲渡損失の控除
5 異なる課税方式を選択するための手続と住民税申告書の提出時期
◆1 所得税確定申告書の「住民税・事業税に関する事項」欄
◆2 住民税の申告書とその提出時期
◆3 給与所得者に係る「特別徴収税額の決定通知書」に係る取扱い
◆4 未申告者及び非課税者に係る課税選択186
◆5 住民税の申告書の様式188
Ⅵ 課税方式の選択事例
【事例の概要と前提条件】196
1 上場株式等の配当等の総合課税での申告(その1)
2 上場株式等の配当等の総合課税での申告(その2)
3 「利子配当受入れ源泉徴収選択口座」の申告(その1)
4 「利子配当受入れ源泉徴収選択口座」の申告(その2)
5 「源泉徴収選択口座」間の譲渡損益の通算(その1)
6 「源泉徴収選択口座」間の譲渡損益の通算(その2)
7 「源泉徴収選択口座」と「利子配当受入れ源泉徴収選択口座」の譲渡損益の通算(その1)
8 「源泉徴収選択口座」と「利子配当受入れ源泉徴収選択口座」の譲渡損益の通算(その2)
9 譲渡損失の繰越控除と「源泉徴収選択口座」の申告(その1)
10 譲渡損失の繰越控除と「源泉徴収選択口座」の申告(その2)
11 外国法人株式の配当と譲渡損失の損益通算
12 相続取得の上場株式等の特定口座での譲渡と相続税額の取得費加算
13 上場株式等の配当等に係る分配時調整外国税相当額控除
14 「源泉徴収選択口座」に受け入れた配当等に係る外国税額控除
参考資料
資料1 国民健康保険制度の保険料率一覧(令和4年度)
資料2 後期高齢者医療の保険料について
資料3 後期高齢者医療保険制度の保険料率等一覧(令和4・5年度)
資料4 医療費の一部負担(自己負担)割合について
資料5 高額療養費制度の概要
資料6 患者負担割合及び高額療養費自己負担限度額
資料7 平成31年1月24日付 総務省自治税務局市町村税課 事務連絡
資料8 地方税法(抜粋)