重要租税判決の実務研究(第四版)
著者 | 品川 芳宣 著 |
---|---|
書籍カテゴリー | 裁判例・裁決例関係 |
刊行日 | 2023年12月11日 刊行 |
ISBN | 978-4-7547-3185-4 |
ページ数 / 判型 | 1432ページ / A5判 |
定価 | 税込5,610円(本体5,100円+税10%) |
本書の内容
税務訴訟の判例を研究する際には、結果の勝ち負けだけではなく、判決の持つ意味を正しく解釈することが重要です。本書では、厳選された重要租税判決187件について、実務的な見地から的確・簡潔に評釈を加えた実務家必携の書。目次には関連する税目毎の判決を掲載するとともに、脚注や判例索引も充実して利用の便に供した一冊。
主要目次
Ⅰ 国税通則
1 租税法における信義則の適用要件
2 犯則調査と課税調査との関係・「隠蔽・仮装」行為者の範囲
3 無予告調査の適法性
4 確定申告書上の所得税額等控除の記載誤りを事由とする更正の請求の可否
5 当初の遺産分割による申告に課税上不利となる錯誤があったとする更正の請求の可否
6 修正申告に対する更正の請求と無効主張の可否
7 国税通則法23条2項1号にいう「判決」の意義
8 相続税申告に係る株式の評価額が誤りであったことを確認した判決に基づく更正の請求の可否
9 更生会社の過年度損失に係る更正の請求の可否
10 破産会社の過年度損失に係る更正の請求の可否
11 粉飾決算の修正に伴う減額更正の期間制限
12 所得税における損失の繰越控除と期限後(修正)申告の期間制限
13 消費税の過大還付申告と過少申告加算税の賦課
14 ストックオプション事件における「正当な理由」
15 破産管財人の源泉徴収義務と徴収しない場合の「正当な理由」
16 公示逃れの過少申告と更正の予知
17 税務調査開始後修正申告書を提出した場合の更正の予知
18 顧問税理士に対する所得秘匿等と隠ぺい・仮装行為
19 税理士に対する所得秘匿等と「隠蔽又は仮装」等
20 いわゆる「つまみ申告」と隠ぺい・仮装行為
21 代理人が申告期限後にした不正申告に係る重加算税の課否
22 「1人飲み」交際費支出と重加算税の賦課
23 A社・B社方式による評価差額の作出と「偽りその他不正の行為」
24 税理士・税務署員共謀による不正と重加算税の賦課要件・期間制限
25 消費税の事業者を仮装した場合の重加算税賦課要件
26 修正申告段階における隠ぺい・仮装行為と重加算税の賦課要件
27 減額更正後に増額更正がされた場合の増差税額に対する延滞税の課否
28 出訴期間徒過の「正当な理由」・貸付金遺贈に係る当該貸付金債務の負債性
Ⅱ 所得税
29 所得税法における「住所」の判定
30 土地建物等の譲渡損失の損益通算禁止規定の合憲性
31 親子間の土地使用貸借に係る駐車場収入の帰属(実質所得課税の原則)
32 事業所得の総収入金額に算入すべき債務免除益の範囲
33 実質的に債務ではない債務が免除された場合の「所得」の有無
34 「ストックオプション事件」最高裁判決
35 海外慰安旅行と経済的利益
36 従業員海外慰安旅行の費用負担と経済的利益の供与
37 金銭貸付に係る利息収入の所得区分
38 競馬の払戻金に係る所得区分と控除金額の範囲
39 使用人が執行役に就任した際に支給された退職金の所得区分
40 譲渡資産の取得費となる借入金利子の範囲
41 個人の無利息貸付に係る行為計算の否認と「正当な理由」─平和事件─
42 不動産の補足金付相互売買(交換)における譲渡価額
43 生命保険契約の死亡保険年金に係る相続税と所得税の二重課税
44 所得税法56条の解釈変更と無効事由(弁・税事件)
45 所得税法56条の適用要件と課税単位(弁・弁事件)
46 みなし譲渡における土地の時価
47 相続により取得した不動産を譲渡した場合の相続税と所得税の二重課税
48 所得税における気配相場のない株式の評価方法
49 所得税法59条における非上場株式の時価
50 個人が法人に非上場株式を譲渡した場合の当該株式の価額(同族株主等判定の時期)
51 非上場株式を関連会社に譲渡した場合の当該株式の価額(配当還元方式適用の可否)
52 同族関係者間で非上場株式を発行会社を介在して売買した場合の課税関係
53 所得税における非上場株式の評価──評価通達の準用と法人税額等相当額控除──
54 受贈資産を譲渡した場合の取得費の範囲
55 弁護士会役員の会活動に係る懇親会費等の必要経費性
56 満期保険金に係る一時所得金額から控除できる保険料の範囲
57 損益通算に係る「生活に通常必要でない資産」の範囲
58 任意組合を利用した航空機リースに係る損失の損益通算と禁止措置
59 任意組合等から組合員が得る損益の計算方法
60 特許権等の使用料に係る所得源泉地
61 社会保険診療報酬の特例適用において申告書記載を欠いた場合の宥恕の可否
62 社会保険診療報酬の特例を適用して申告した後に実額による更正の請求の可否
63 従業員持株会からの代物弁済による自己株式の取得とみなし配当課税
64 アメリカLLC の法的性格
65 米国LPS の「法人」該当性─同LPS からの分配金の所得区分─
Ⅲ 法人税
66 劣後信託受益権に係る収益配当金の収益計上時期
67 低額譲渡が義務付けられた土地譲渡の収益認識
68 外国会社の新株発行の全額引受けと有利発行(受贈益)の該当性
69 関係会社間の非上場株式の譲受けと受贈益の認定
70 法人税における純資産価額方式による株式評価
71 海外子会社株式に係る含み益の増資移転と資産の無償譲渡(オーブンシャホールディング事件)
72 使用人賞与を未払計上した場合の損金算入時期
73 脱税経費の損金性
74 子会社に対する貸金の貸倒償却の可否
75 興銀最高裁判決と実務への影響
76 従業員給与・役員報酬の架空性
77 役員報酬適正額認定における類似法人比準の限界
78 代表取締役に対して支払う連帯保証料の適正額
79 役員に対する賃借料の過大支給と役員報酬の適正額
80 役員報酬・役員退職給与の適正額の算定方法
81 定期同額給与に係る「不相当に高額な部分」の算定方法
82 役員報酬の仮装経理とDES 等における債務消滅益
83 役員に対する冬季賞与と事前確定届出給与該当の有無
84 取締役(社長の子女)に支給した役員報酬の帰属と訴訟中における行為計算否認規定の援用
85 使用人兼務役員の範囲
86 裏給与における定時・定額性と報酬と賞与の区分
87 役員に使用されていた土地建物の低額譲渡と役員賞与
88 神社改築へ支出した寄附金の寄附行為の主体(会社か役員か)
89 売上除外金の使途不明と役員賞与の認定
90 社会福祉法人理事長に対する認定賞与と源泉徴収義務
91 留学中役員の報酬等と役員分掌変更に伴う退職慰労金の損金性
92 代表取締役の退職(死亡)給与の適正額
93 役員退職給与の適正額
94 1年当たり平均額法により役員退職給与適正額が算定された事例
95 会社創業者の役員退職給与適正額
96 役員退職給与の適正額の算定方法(平均功績倍率法の適用の可否)
97 役員退職給与相当額の算定に平均功績倍率の1.5倍を適用
98 特許業務法人の社員に対する歩合給の損金性等(同社員の使用人兼務役員該当性等)
99 法人成り後も引続き勤務した者の役員退職給与の適正額
100 代表取締役が業務上事故死した場合の退職給与金等の適正額
101 役員の分掌変更等に伴って支給した給与の「退職給与」性
102 分掌変更による役員退職慰労金の退職所得性と分割支払金の損金性
103 分掌変更に伴って支給した役員退職慰労金の損金性
104 確定決算を変更して役員退職給与を損金経理した場合の損金算入の可否
105 役員退職給与の現物支給
106 使用人賞与の損金算入規定の合憲性
107 経営指導料等として支払った金員の寄附金性
108 増資払込金のうち額面を超える部分の寄附金性
109 子会社再建のための債権放棄と寄附金認定
110 更生会社に対する留保金課税と役員賞与課税の可否
111 貸家所有目的の土地の使用借権の価額
112 過年度損失の当期損金算入と公正処理基準との関係・更正の理由付記の程度
113 法人税における後発的事由に基づく更正の請求
114 粉飾経理の修正損の帰属時期と減額更正の期間制限
115 仮装経理を是正する場合の「修正の経理」の意義
116 任意組合を利用した映画フィルム・リースに係る減価償却費計上の可否
117 医療機器に対する中小企業特別償却等適用の可否
118 創立記念行事等において祝金を収受した場合の交際費等の範囲
119 従業員等に対する慰安旅行費用の交際費等該当性
120 共同して交際行為を行った場合の交際費等の範囲
121 業務委託料差額と無料優待入場券に係る交際費等の認定
122 従業員の福利厚生費等と交際費等との区分
123 タックス・ヘイブン課税の適用除外要件
124 タックス・ヘイブン課税における非持株会社等基準充足の有無
125 国外支配株主等から過大借入れをした場合の過少資本税制の適用
126 移転価格税制における独立企業間価格の算定方法
127 組織再編成税制における行為計算の否認─ヤフー事件─
128 適格合併における未処理欠損金引継ぎと行為計算の否認
129 パートナーシップ持分を外国法人に現物出資した場合の適格現物出資該当性─塩野義製薬事件─
130 関係会社間の自己株式取得に係る譲渡損(みなし配当)計上と同族会社等の行為計算否認─IBM事件─
131 同族会社間の高額借入れと同族会社の行為計算の否認
Ⅳ 相続税・贈与税
132 相続開始前の株式売買契約を否認する法的根拠
133 被相続人の預貯金を引き出した場合の相続財産の範囲と隠ぺい・仮装の有無
134 税理士一家の相続税における名義有価証券等の帰属
135 土地の売買契約途上に相続が開始した後に契約解除した場合の相続財産の種類と仮装等の有無
136 国外財産を贈与した場合における受贈者の「住所」─武富士事件─
137 負担付贈与をめぐる課税問題
138 親族間の相続税評価額による土地売買とみなし贈与課税
139 米国州法に基づく信託契約とみなし贈与課税
140 医療法人の出資の評価と跛行増資に対するみなし贈与課税
141 会社代表者が自社株式を第三者から買い受けた場合のみなし贈与課税
142 従業員持株制度において代表者が株式を買い取った場合のみなし贈与
143 同族会社に対する株式譲渡と当該株主に対するみなし贈与課税
144 公正証書の形式を用いた贈与の履行時期
145 被相続人の事業を承継した相続人らの使用人時代の退職給与相当額の債務控除の可否
146 相続税の制限納税義務者に対する債務控除の範囲
147 路線価方式における標準地の面積と特別の事情
148 使用貸借に係る土地等の評価額
149 未賃貸部分の貸家・貸家建付地としての評価の可否
150 評価通達における広大地と貸家建付地の評価方法
151 「空室」が多くなると貸家・貸家建付地の価額が上昇
152 評価通達に定める「私道」の該非と評価額
153 株式保有特定会社株式の評価方法
154 財産評価において評価通達を適用しないことができる特別な事情
155 相続した土地を路線価方式によらない場合の評価方法
156 相続開始直前に借入金で取得したマンションの評価
157 建替え検討中のマンションの「時価」に関し鑑定評価が行われた場合の評価通達適用の可否
158 相続開始直前に取得した不動産の評価
159 土地等の評価方法と土地保有特定会社の判定
160 相続税における土地・取引相場のない株式の個別評価
161 相続開始後に売買契約を解除した場合の相続財産の種類と評価
162 取引相場のない株式の評価と評価通達6 項の適用要件
163 相続税法64条と評価通達6項の関係
164 取引相場のない株式評価における総則6項の適用の限界
165 総則6項適用に対する最高裁初の判決
166 税務通達に反した課税処分の違法性
167 株式評価と課税時期後の株価変動
168 非上場株式を第三者を迂回させて取得した場合の贈与の有無と当該株式の評価
169 取引相場のない株式を現物出資した場合の51%控除の可否
170 共同相続人の連帯納付義務の合憲性
171 措置法69条の4に基づく課税処分の合憲性
172 小規模宅地等の課税特例における事業の用に供された時期
173 建築途上の事業用建物敷地に係る小規模宅地課税特例の適用
174 土地区画整理事業中に相続が生じた場合の小規模宅地の課税特例の適用
175 小規模宅地の課税特例適用の手続要件(共同相続人の選択同意書)
176 小規模宅地等(特定事業用宅地等)の課税特例における「生計を一にしていた」の要件
Ⅴ 消費税・その他
177 仕入帳への仮名記載と仕入税額控除の可否
178 課税仕入れの対象となる「資産の譲渡等」の範囲
179 役員退職給与の過大支給と第二次納税義務
180 固定資産税の土地評価における「適正な時価」の意義
181 固定資産評価基準の法的性格と問題点
182 固定資産税における「適正な時価」の意義と評価方法
183 固定資産評価基準における特別の事情
184 地方税法における法定外普通税制定の限界─神奈川県臨時特例企業税事件
185 物納申請をしなかったことに対する税理士の損害賠償責任
186 税理士の嘆願書不提出は注意義務違反か
187 顧問税理士が事前通知のない調査を拒否し消費税の仕入税額控除を否認された場合の損害賠償責任