租税回避と濫用法理 ―租税回避の基礎的研究―

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著者 今村 隆 著
書籍カテゴリー 裁判例・裁決例関係
発売日 2015年4月15日 発売
ISBN 978-4-7547-2198-5
ページ数 / 判型 512ページ / A5判
定価 4800 円 (本体価格:4444 円)

本書の内容

租税回避は、租税法における永遠の問題であり、かつ、中心的な問題の一つである。しかしながら、我が国においてはそれらの諸問題に関する議論は必ずしも充分とは言えず、国際的な観点からみても世界諸国におけるそれらの議論の発展と我が国における議論の発展の度合いに大きな差があると考えられる。
本書は、我が国における租税回避の問題についての議論の発展に寄与することを主たる目的として、筆者が法務省訟務局租税訟務課在籍時から租税法研究者として活動する現在に至るまで15年間にわたって発表した租税回避に関する数々の研究論文及び組織再編成に係る行為計算否認規定の意義とその適用(いわゆる「ヤフー事件判決」)に関する書き下ろし論文を、第1編「租税回避の基礎理論」、第2編「濫用法理」、第3編「租税条約の濫用」、第4編「比較法研究」に分類・整理して一冊の書籍としてまとめたものであり、租税回避に関する基礎的研究及び今後の幅広い議論の発展に欠かすことの出来ない一冊である。

主要目次

【第1編 租税回避の基礎理論】

第1章 租税回避の意義と問題点
〔書き下ろし〕
・第1 はじめに
・第2 租税回避の意義
・第3 租税回避の問題点
・第4 結び

第2章 租税回避とは何か
〔初出:税務大学校論叢40周年記念論文集、平成20年6月〕
・はじめに
・第1 法形式濫用基準
・第2 economic substance基準
・第3 wholly artificial基準
・第4 economic substance基準とwholly artificial基準との比較
・第5 租税回避の本質とその定義
・結び

第3章 租税回避行為の否認と契約解釈
〔初出:税理42巻14号、15号、43巻1号、3号、平成11年11月~平成12年3月、ぎょうせい〕
・はじめに
・Ⅰ 租税回避行為の否認の問題
・Ⅱ 否認の三類型
・Ⅲ 最近の裁判例の分析
・Ⅳ 英米の最高裁判決の分析
・Ⅴ 契約解除の意義とその果たす役割
・おわりに


【第2編 濫用法理】

第1章 外国税額控除制度の濫用
〔初出:共編著『租税争訟改訂版』、平成21年2月、青林書院〕
・第1 はじめに
・第2 外国税額控除制度の概要
・第3 政策的減免規定の立法趣旨による限定解釈
・第4 最高裁平成17年12月19日判決
・第5 同種事案の裁判例
・第6 結び

第2章 外国税額控除制度の濫用―日米の判例を比較して―
〔初出:駿河台法学20巻1号、平成18年9月〕
・第1 はじめに
・第2 最高裁平成17年12月19日判決
・第3 コンパック事件判決
・第4 外国税額控除制度の趣旨と性格
・第5 外国税額控除制度の濫用
・第6 結び

第3章 租税法における濫用の法理―欧州司法裁判所と我が国の最高裁判所における判決を比較して―
〔初出:日本大学法学紀要53巻、平成24年3月〕
・第1 はじめに
・第2 ECJの判断枠組み
・第3 ECJにおける濫用の法理
・第4 我が国の最高裁判所における濫用の法理
・第5 結び

第4章 組織再編成に係る行為計算否認規定の意義とその適用―同族会社の行為計算否認規定と対比して―
〔書き下ろし〕
・はじめに
・第1 両判決の要旨及び論点
・第2 両判決に共通の論点
・第3 ヤフー事件判決に固有の論点
・第4 IDCF事件判決に固有の論点
・第5 法人税法132条の2と同法132条との異同
・第6 米国の内国歳入法典における被合併法人の欠損金の引継ぎ
・結び


【第3編 租税条約の濫用】

第1章 租税条約におけるbeneficial ownerの定義とその範囲
〔初出:記念論文集刊行委員会編『村井正先生喜寿記念論文集』、平成24年6月、清文社〕
・Ⅰ はじめに
・Ⅱ インドフード事件
・Ⅲ プレボスト事件
・Ⅳ beneficial ownerの定義
・Ⅴ beneficial ownerの具体的範囲
・Ⅵ beneficial ownerについてのその他の問題
・Ⅶ 結び

第2章 租税条約におけるLOB条項の意義と問題点―我が国の視点からみた同条項の考察―
〔初出:日本法学79巻2号、平成25年9月〕
・第1 はじめに
・第2 トリ―ティ・ショッピングの意義
・第3 LOB条項の異議
・第4 我が国におけるLOB条項の締結条項
・第5 我が国の視点でみたときのLOB条項の問題点
・第6 結び


【第4編 比較法研究】

第1章 主要国の一般的租税回避防止規定
〔初出:本庄資編『国際課税の理論と実務』、平成23年8月、大蔵財務協会〕
・第1 はじめに
・第2 ドイツ
・第3 カナダ
・第4 オーストラリア
・第5 結び

第2章 一般否認規定についてのカナダ最高裁判例の研究
〔初出:駿河台法学21巻2号、平成20年2月〕
・はじめに
・第1 ITA245条の概要及び制定経緯
・第2 カナダ・トラスト事件の事案の概要及び判旨
・第3 カナダ・トラスト事件の分析
・結び

第3章 オーストラリア一般否認規定の研究
〔初出:駿河台法学24巻第1・2合併号、平成22年12月〕
・はじめに
・第1節 オーストラリアの租税制度
・第2節 一般否認規定の概要
・第3節 1981年改正前の一般否認規定
・第4節 1981年改正による一般否認規定
・第5節 我が国の租税回避問題に対するインプリケーション
・結び
・Appendix

第4章 英国におけるラムゼイ原則と資本控除(capital allowance)への適用―2011年Tower MCashback事件英国最高裁判決を分析して―
〔初出:租税研究760号、平成25年2月、公益社団法人 日本租税研究協会〕
・はじめに
・第1 ラムゼイ原則の意義とその変遷
・第2 資本控除とラムゼイ原則
・第3 英国における租税回避に対する最近の立法の動向
・第4 我が国へのインプリケーション
・結び

第5章 英国におけるGeneral Anti-Abuse Rule立法の背景と意義
〔初出:税大ジャーナル22号、平成25年11月〕
・はじめに
・第1 英国版GAARの概要
・第2 英国版GAAR立法の背景―ラムゼイ原則の限界
・第3 英国版GAARの考え方―アーロンソン意見書
・第4 英国の包括型濫用対抗規定立法の意義―我が国へのインプリケーション
・結び

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